故郷の味を届けたい…新谷さん母娘 「さっぽろ乙部会」に三平汁振る舞い13年

update 2007/1/31 12:23

 【乙部、札幌】懐かしい故郷の味を札幌に―。乙部出身者でつくる「さっぽろ乙部会」(渡辺鶴雄会長)の総会では13年間欠かさず、乙部町花磯の新谷祐子さん(63)が腕を振るった「スケトウダラの三平汁」を振る舞っている。“浜の母さん”による心づくしの三平汁は、故郷を離れた会員にふるさとのぬくもりを届け続けている。

 同会の第21回総会は27日に札幌市のホテルノースシティで開催。新谷さんは第9回総会からボランティアで参加している。ホテルの調理場では、持参の包丁で70匹ほどのスケトウダラを豪快にさばいた。調理場を提供してくれるホテルは市内でここだけ。顔なじみのホテルマンが親身に面倒を見てくれる。「だから会場は変えられないね」と寺島光一郎町長が語る。

 乙部・豊浜両船団提供のスケトウダラは、新谷さんが自宅で下ごしらえ。味を引き立てる肝やタチ(精巣)も欠かせない。「新鮮なスケトウは身が崩れないのでみそ仕立てが一番」

 同市に住む長女の小田島明美さん(42)も12年間連続の参加。新谷さんをてきぱきと手伝う。味付けは長年の勘だ。「みそはこれぐらいだね」「いい味だよ」。母娘の連携プレーに多くの言葉はいらない。味見に参加するホテルのシェフも舌を巻くほどのおいしさだ。

 総会が始まると三平汁のコーナーには長蛇の列。「三平汁が楽しみで欠かさず出席してます」。懐かしい顔触れと会話を楽しみながら盛り付ける。30分ほどで大鍋は空になった。

 漁協の婦人部長を長年務め、夫を海難事故で失ってからも浜に出て、はえ縄漁の準備や漁師の給仕を手伝う新谷さん。昔と変わらぬ浜言葉が飛び交う会場を「魚が取れて体が続くまで三平汁をやりたいね」と、優しい笑顔で見つめていた。

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