南渡島消防職員協が集団災害に備え訓練

2007/1/30
 北斗市や七飯町などの消防職員でつくる南渡島消防職員協議会(伊藤和宏会長)は29日、函館市梁川町のホテルテトラで集団災害に備えた訓練を行った。参加者に想定事態を事前に知らせない“抜き打ち”訓練で、大惨事が起きた際の初期活動を学んだ。

 災害発生直後の30分間に、最小限の人員と資機材で効率のよい現場活動を実施しようと、同協議会が初めて開催。南渡島消防事務組合や函館市消防本部の消防職員のほか、病院の看護師、グループホームの介護福祉士ら約70人が参加した。

 国道228号で大型トレーラーが対向車線にはみ出し、デイサービスのバス(20人乗り)に衝突、バス車内に多数のけが人がいるとの想定。参加者は、けが人や救助隊、通報者などの「役」に分かれ、症状の重い順に搬送するトリアージなどに取り組んだ。

 消防隊らは全員が別室で待機し、目撃者の通報後に初めて現場の状況に直面する実践形式。参加者は運転席に閉じ込められたバスの運転手を救出したり、倒れているけが人に声を掛けたりして本番さながらの訓練に真剣な表情で臨んでいた。

 訓練後には、録画したビデオ映像を見ながら意見を交わす検討会も実施。同協議会の田中春樹事務局長は「南渡島は消防職員の数が少なく、初期活動の難しさが課題の一つ。今回の経験を糧にして災害時にベストの選択ができるようにしたい」と話していた。

提供:函館新聞社

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