海洋総合センター予定地、秋にも岸壁改修着手

2007/1/29
 函館開発建設部は今秋にも、函館港弁天地区(函館市弁天町20)の岸壁整備に本格着手する。函館市土地開発公社が所有している旧函館ドック跡地の岸壁で、1993年の北海道南西沖地震で被災し、長く使用不能となっている。2009年度の完成を目指しており、市は同跡地に「国際水産・海洋総合研究センター」の建設を予定。岸壁が完成すれば調査・実習船が2隻同時に接岸可能となる。

 同跡地の面積は約23ヘクタールで、市などが進める国際水産・海洋都市構想の研究拠点基地を形成する。国際水産・海洋総合研究センターや函館港へ寄航する調査・実習船の利活用を目的に、函館開建が事業主体となり、公共岸壁を整備することとなった。

 建設される岸壁は水深6・5メートル×250メートルと水深5・0メートル×210メートルの合わせて2バース。現在の海岸部分から海側へ10メートル前後せり出した場所へ新しい岸壁を設置し、すき間部分は埋め立て工事を行う。事業費は当初、22億円程度を見込んでいたが、地盤が軟弱なため補強工事などの必要性も考えられ、現時点で費用総額については未定。

 函館開建ではすでに岸壁整備に向けての地質調査を行っており、本年度中に構造設計まで行う予定。埋め立て申請が市議会の同意を得られれば、9月か10月にも本格的な工事に着手し、09年度の完成を目指す。

 函館開建築港課は「最新の技術を使い、費用はできるだけ抑えながら、函館の新しい顔として機能性の高い岸壁を造りたい」と話している。

 市が計画している同センターには、水産庁の水産総合研究センター、北大北方生物圏フィールド科学センターの水圏部門、北大大学院水産科学研究院研究棟、道立函館水産試験場などの研究機関の集積を予定。最短で10年度までに一部着手を目指している。完成すれば国内外からの調査・実習船の利用が見込まれる。

提供:函館新聞社

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