新川汲トンネル、5か月ぶりに工事再開へ

update 2006/10/2 09:24

 基準値を超える重金属が含まれた掘削土砂の処分方法をめぐり、工事が中断している道道函館南茅部線「新川汲トンネル(仮称)」について、専門家が総合的に検討する「第2回新川汲トンネル検討委員会」(委員長・韮澤憲吉函館高専教授)が1日、函館市民会館で開かれた。現在、同市庵原町の採石場跡地に仮置きしている堀削土砂を、新トンネル供用後にすべて撤去し、現川汲トンネル部分に埋め戻し、残りを他の適地に運び出すという函館土現の方針について、同委員会は「安全性についても住民の安心の面でも問題はない」と結論づけた。すでに住民側はこの方針に同意しており、今月中旬にも5か月ぶりに工事が再開される見通しとなった。

 同工事は2003年10月に着手されたが、掘削土砂から基準を超えるヒ素などの重金属が確認された。そのため同土現は、堀削土砂の約4分の3を現トンネル部分へ埋め戻した上で、残りの約4分の1については、現在の仮置き場をそのまま最終処分地にしようと計画したが、住民側の理解が得られず、延長2056メートル中、函館側から約1500メートルまで掘削したところで、5月8日から工事を中断している。

 7月には5人の専門家による「検討委員会」が開かれ、最終処分地としての安全性は確認されたが、「住民の不安感が大きく、他に適地がないか検討すべき」との見解が示された、同土現は市内の複数の代替地候補を選定し話し合いをしたが、現時点では適地は見つかっていない。

 しかし、当初予定していた2007年度内のトンネル完成のためには早期の工事再開が必要、と判断。代替地が見つからない場合は掘削土砂の資源化処理などを行い、現在の仮置き場には一切残さないとの新案を提示し、9月20日に同市亀尾町で行った説明会で地元住民の同意を得ていた。

 1日は午前中に、埋め戻し処理を予定している現川汲トンネルを同委員らが視察。午後から行われた検討会では、新たな処理計画を容認した上で、現トンネルへの埋め戻し作業について「費用的にも管理面でも、埋め戻すよりすべての掘削土砂を1カ所で処理した方が効率的。この点も考慮に入れて代替地の選定をしてほしい」と提案された。

 オブザーバーとして参加した亀尾町会の田村冨作会長は「土砂が撤去されることになったのは大変うれしいが、搬出されるまでの期間が長いので管理体制をしっかりしてほしい」と話していた。

提供 - 函館新聞社



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