「ふっくりんこ」生産者が品質向上のためユニークな取り組み

update 2005/6/3 10:37

 道南産の米の新品種「ふっくりんこ」の生産者が品質向上のため、ユニークな取り組みを続けている。新規栽培を目指す農家にはガイドラインを作り、クリアできなければ生産者に加えない。また、消費者に好まれる低タンパク質の米を増やすため、タンパク質の割合に基準を設け、2年連続で満たせなければ、翌年からは生産できないなど、厳しい条件を敷いた。JA新はこだて米穀課は「生産水準が上がれば、ふっくりんこのネームバリュー、そして、産地としての道南の地位も高まっていくのでは」と期待している。

 ふっくりんこは道内で最も暖かく、秋が長い、道南地域の特性に合った品種。冷めてもやわらかいほか、食味の目安となるタンパク質の率が低いことなどが特徴だ。

 本格生産は2003年にスタート。当初は28戸20ヘクタールで始まったが、昨年は77戸80ヘクタール、今年は197戸265ヘクタール(予定)へと増加した。卸値は昨年産のケースで、玄米60`当たり1万3200円前後で推移。「きらら397」や「ほしのゆめ」よりも高く、品質が市場で評価された格好で、生産を希望する農家が増えている。

 生産者は当初から、栽培についてのガイドラインを作成。土壌検査の実施の義務化や自家採種の禁止をはじめ、品質のばらつきが出ないよう「函館育ちライスターミナル」の利用厳守など、栽培への条件を定めた。さらに、地元生産団体からの推薦も必須とすることなどで、生産農家の水準を保っている。

 また、昨年からはタンパク質の割合について上限を設けた。昨年産分は8・1%、今年の生産分は7・6%を上限とし、この基準を2年連続で超えた場合、その後の栽培をさせないことを申し合わせた。実際、昨年分については、5%台で出荷した農家があった一方、数軒は基準をオーバーし、今年が正念場となっている。

 これらの取り組みについて、生産者でつくる「ふっくりんこ蔵部(くらぶ)」の斉藤秀樹部会長(55)は「厳しい面があることは確か。しかし、われわれにとっては腕の見せどころでもある」と受け止める。そして、「基準のクリアに向け、工夫を凝らすことが質を高めていく。技術が高まれば、ほかの品種の質も上がり、道南という産地への信頼を勝ち取ることができる」と話している。

提供 - 函館新聞社



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