サハリンから永住帰国 通崎さん函館市民に

update 2005/6/2 09:57

 「こんなに温かく迎えてくれてありがとう」―。サハリン(樺太)で80年間を過ごした通崎はる子(ワニューニナ・ハルコ)さん(87)=空知管内新十津川村出身=が1日、永住帰国を果たし、函館市民となった。函館を選んだ理由は「サハリンに似て、気候が温暖で過ごしやすいので」。ロシアの思い出と、積み上げた望郷の念が重なる。

 通崎さんは1917年生まれ。7歳の時に開拓のため、家族とサハリンに渡った。35年に見習い看護師、41年からは助産師に。46年に大火で家を失い、知人宅に世話になった。

 第2次世界大戦後、家族は日本に引き揚げたが、「火災の時に助けていただいた方にお願いされ、残りました」。その後、現地の男性と結婚し長男をもうけたが、4年後に離婚した。

 90年代に入り、一時帰国を繰り返していた通崎さんは昨年5月、NPO法人(特定非営利活動法人)「日本サハリン同胞交流協会北海道」の支部長と話す中で、永住帰国への思いが強まる。同12月に同協会函館(奈良一昭会長)を世話役に帰国、約半年間、日本語や生活習慣を学んだ。

 函館空港には1日午後に到着。その足で函館市役所を訪問した。通崎さんに花束と見舞金を手渡した西尾正範助役は「町会や市主催の文化講座に参加するなど、外に出て楽しい生活を送ってほしい」と激励。通崎さんは「精神修養も兼ねて、習字を習いたいですね」と笑顔で応じた。

 介護保険証発行などを済ませ、新たな住まいの地区民生委員と懇談。市福祉部によると、サハリンからの永住帰国者で函館が受け入れたのは、通崎さんで9人になるという。

提供 - 函館新聞社



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