八雲病院診療報酬不正受給問題で「療養費払い制度」適用へ

2003/11/13
 【八雲】医師の水増しによる診療報酬の不正受給で11日、保険医療機関の指定取り消し処分を受けた国立療養所八雲病院(南良二院長、240床)。患者や家族には大きな不安が広がったが、指定取り消しとなる12月1日以降も、入院患者が従来通りの負担で治療が受けられる「療養費払い制度」の適用が決まり、最悪の事態は避けられた。

 道社会保険事務局によると、八雲病院は98年7月から2002年3月にかけ、勤務実態のない医師や非常勤の医師、計12人を常勤として偽り、診療報酬として約3億5000万円を不正に受けた。

 処分を受けたことで同病院は12月1日以降、各種保険による治療ができなくなる。ただ、筋ジストロフィーや重度心身障害の患者が入院する、道内では数少ない医療機関なだけに、処分に関する答申をした同事務局の諮問機関・道地方社会保険医療協議会は付帯意見として、医療体制の維持を求め、患者に新たな負担を求めない同制度の適用が決まった。

 ただ、原則5年間とされる指定取り消し期間中は、病院運営の安定さを欠くことから、入院患者や保護者会、患者団体などからは、早期の再指定を求める声が強い。

 同事務局は「ほかに受け皿となる医療機関は、ないのが実態。再指定については今後、関係機関と協議しながら、慎重に検討したい」と話している。

提供:函館新聞社

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