上磯に三木露風の歌碑完成

update 2003/7/11 11:07

 【上磯】トラピスト修道院の日本文学講師を務め、童謡「赤とんぼ」の作詞でも知られる詩人、三木露風(1889―1964年)の歌碑が、津軽海峡を臨む上磯町茂辺地の葛登支(かっとし)神社前近くに完成した。神社の改修など同地区の再興に力を尽くした青森出身の故・工藤忠孝さんの遺志を、町民有志が受け継いだ。10日に関係者が集まり除幕式を行い、歌碑の完成を祝い、故人をしのんだ。

 工藤さんは1915年、青森県生まれ。77年に来町し、老朽化した同神社を自費で再建するなど、茂辺地地区の発展に大きく寄与した。住民に惜しまれながら今年1月、88歳で亡くなった。

 生前の工藤さんは、当別や茂辺地を詠んだ露風の歌碑建立を切望。神社再建の施主となった工藤さんの功績などをたたえて、葛登支稲荷神社奉賛会(加藤哲恵会長)と、上磯地方史研究会(落合治彦会長)が、遺志を受け継いだ。

 歌碑に刻んだ短歌は、神社がある高台から津軽海峡を見渡し詠んだ「はるかなる 岬の上に立ちにける 白き灯台 日に輝けり」。トラピスト修道院の講師時代に詠んだ「トラピスト歌集」収録の755首から、工藤さんの遺族が選んだ。町教委の田中則夫教育長が揮ごうした。

 関係者が出席して神事を執り行った後、歌碑を除幕。同奉賛会の加藤会長は「多くの人の協力を得てようやく完成した。遺志を実現できうれしい」と目をうるませていた。

提供 - 函館新聞社



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