岐路に立つ函館技専、定員割れ続く

update 2018/1/15 07:33


 道南のものづくり産業に貢献してきた道立函館高等技術専門学院(函館技専、桔梗町435)が岐路に立たされている。募集しても定員割れの状態が続き、2018年度の入学予定者は定員70人対し、全4科で28人(40%)にとどまる。定員割れは、企業の人手不足に一段と拍車を掛ける懸念がある。若者のものづくり離れが深刻化する中で、技術の継承やものづくり人材の育成に向けた抜本的な対策が急務となっている。

 函館技専は機械技術、システム制御技術、建築技術、自動車整備の4科があり、高卒者や求職者を対象に2年間の職業訓練を行う。18年度の訓練生募集は、昨年11月の推薦選考で23人、12月の一般選考で5人が合格。内訳は機械技術(定員20人)が2人、システム制御技術(同)が9人、建築技術(10人)が2人、自動車整備(20人)が15人となっている。

 このうち建築技術は15〜17年度の入学者が3年連続で定員(20人)の半分にも達しなかったため、道のルールに基づき18年度から定員を半減。定員の見直しにもかかわらず、現在の入学予定者は2人と低調だ。

 定員割れの背景には、少子化に伴い高校の統合再編が相次ぎ、学校数や生徒数の減少がある。高校生に対する求人が急増していることや、ものづくりを希望する若者が減ったことも影響しているとみられる。

 函館技専によると、入学者数の推移は、定員80人に対し12年度が65人、13年度が56人、14年度が49人、15年度が50人、16年度が55人、17年度が33人と減少傾向が続いている。科ごとに見ると、自動車整備は比較的人気で、システム制御技術は横ばい、ものづくりの根源と言える機械技術と建築技術は低迷気味で推移している。

 訓練生の確保に向け、道南全域の高校訪問や年3回(6、7、9月)の見学会開催、市町の広報紙への案内掲載、有料広告の掲載、地元ラジオ局への出演、函館市役所1階市民ホールでのパネル展の開催など、地道な活動を通じ進学先として選んでもらえるよう働き掛ける。

 奈良誠司訓練管理課長は「今後は見学会での体験回数を増やし、高校生が入学後のイメージを描けるように工夫したい」と話す。また、自動車整備と機械技術の2科は独自にパンフレットを作り、就職先企業や在学中に取得できる資格を具体的に載せ、メリットを強調している。奈良課長は「訓練生が集まらないのは、学院だけの問題にとどまらず、地元企業の人手不足がさらに深刻化する可能性がある」と強調。現在はほとんど在籍していない女子の掘り起こしなどで訓練生の獲得に結び付けていく考えだ。

 函館技専は追加募集(出願期間は16〜31日、試験日は2月2日)を行った後、随時募集(出願は2月6日〜3月31日、試験は随時)も予定している。問い合わせは函館技専(0138・47・1121)へ。

提供 - 函館新聞社

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