地域ブランド調査 魅力度 函館V3

update 2016/10/20 09:42


 民間シンクタンクのブランド総合研究所(東京)は19日、「第11回地域ブランド調査2016」の結果を発表し、函館市は14年から3年連続で全国1000市区町村で最も魅力的な都市に選ばれた。観光意欲度も昨年に続き1位で、同研究所は「北海道新幹線開業を契機に、函館に行ってみたいという気持ちが高まっている」と分析。一方で魅力度の点数は46・8点と50点を割り込み、地域間の差は縮小傾向にある。

 06年に始まった同調査で、函館の魅力度1位は通算4回目。3年連続の1位は札幌が過去2回(06〜08年、10〜12年)獲得している。魅力度の点数は、初めて函館が1位となった09年の58・8点との比較で、今回は12ポイントも低下した。都道府県別では北海道が8年連続の1位だが、魅力度の点数自体は同様に低下した。

 調査項目別にみると、函館は今回も食関連分野で高評価を得た。まちのイメージでは「食事がおいしい」と「地元の食材が豊富」で1位。食品想起率は2位で、夕張、松阪、米沢、京都といったブランド食品や伝統料理が根付いた地域に割り込んだ。

 「食のまち」の好印象が定着している結果で、同研究所の田中章雄社長は「北海道の代表である札幌の評価が相対的に低下した一方で、食や夜景といった具体的な魅力が分かりやすくアイコン化された函館が浮上した」と説明。「消費者の目は厳格化している。『函館の食の何?』と言われたときに漠然とした情報ではなく、今後は、どこのお店のどんなメニューがおいしいのかということが追求される」と指摘する。

 さらに、「訪問率の高い地域ほど魅力度が下がる率が高い。函館はますます行きやすくなった分、ますます評価が厳しくなるということ。プラスに考え、新しいことを打ち出すチャンスと捉えてほしい」と話した。

 このほか、北海道新幹線開業が大きく影響した項目では、情報接触度は9位から5位に浮上し、経路は旅やグルメに関するテレビ番組、インターネットサイトで1位だった。情報接触度の上昇は、北陸新幹線が開業した昨年の金沢などでも見られた傾向で、同市は今回は接触度は低下したが、魅力度、観光意欲度ともに昨年より順位を上げ、開業効果を持続させていることがうかがえた。

 3年連続で魅力度1位の結果を受け、工藤寿樹市長は「大変うれしく思う。新幹線開業でまちに新たな活気とにぎわいが生まれている。さらなる人を呼び込むとともに、歩いて楽しい美しいまちづくりを進め、魅力を高めてまいりたい」との談話を発表。函館国際観光コンベンション協会の渡邉兼一会長は「新幹線開業年に多くの人に魅力が発信できた。観光客数は順調に推移しているが、リピーター獲得に向けて全市を挙げてホスピタリティーの拡充に努めたい」とコメントした。

 調査は、全国790市と東京23区、187町村を加えた1000市区町村を対象に、魅力度、情報接触度など全77項目で地域のブランド力を数値化。有効回答数は3万372人(一人当たり20の地域について回答)で、20代以上の年代別、地域別にほぼ同数となるよう回収し、集計した。調査開始から11年目となり、本年度から対象年齢に70代の区分を加えて、15年度結果も再集計した。函館以外の道南の対象都市のうち、北斗市は新幹線効果で、魅力度が200位以上、観光意欲度も100位以上順位を伸ばし、認知度も大幅に増加した。

提供 - 函館新聞社

その他の新着ニュース

前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです