台風10号直撃 道南大荒れ

update 2016/8/31 09:42


 大型の台風10号は30日夜、岩手県大船渡市付近に上陸し、青森県を縦断して深夜に日本海に抜けた。暴風域に入った渡島、桧山管内では同日夜から猛烈な風雨に見舞われ、一部地域に避難準備情報が出た。雨、風とも31日明け方には収まる見通しだが、調査が進むにつれて被害が拡大する恐れがある。
 台風が太平洋側から東北に上陸したのは、1951年の統計開始以来初めて。函館地方気象台によると、最大瞬間風速(午後8時まで)は函館空港36・5メートル、松前32・1メートル、森30・7メートルなど。

 10号の接近で交通機関は大きな影響が出た。全日空や日本航空などは、函館空港発着の羽田便など14便を欠航した。ハートランドフェリーは奥尻―江差間の早朝便以外を欠航し、津軽海峡フェリーは函館―大間間の全便を欠航。青函フェリーは午後の全便を欠航した。

 JR北海道によると、特急スーパー北斗、北斗16〜24号が全区間運休。在来線の快速、普通、はこだてライナーも27本が運休した。北海道・東北新幹線も上下合わせ31本で全区間または一部区間が運休し、利用者に影響が出た。

 道南いさりび鉄道(函館)も、函館―木古内間で11本運転を見合わせた。函館市電と函館バスは午後7時以降、全便運休した。

 台風接近に伴う越波や倒木の恐れなどのため、道路の通行止めも相次いだ。国道278号(函館市銚子町―木直町、8キロ)など9路線が通行止めとなった。

 函館市は避難所39カ所を開設し、午後10時現在、55世帯98人が避難した。松前町も18カ所、七飯町も6カ所の避難所を設けた。避難準備情報を出した知内町も4カ所に避難所を設置、同9時現在63人が身を寄せた。

 渡島総合振興局によると、午後9時現在、函館市で住宅の屋根トタン剥離1件、外壁剥離1件、住宅以外のシャッター破損1件、バルコニーの鉄柵破損1件、屋根トタン剥離2件、外壁剥離1件の被害報告があった。倒木は森町で1件、函館市で4件確認されたほか、函館市で看板の損壊5件が出た。

 函館市瀬田来町の海岸では、高波が護岸を乗り越えた。コンブなどの海藻や砂利を含む海水が国道278号を走行する車両をかすめたほか、波しぶきが近くの民家を直撃した。

 日没後、同市浜町の民家では屋根が大きくめくれて、通報を受けた消防署員が応急処置をした。うずを巻くような強烈な潮風の中で、隊員ははしごをしっかりと押さえて屋根に上っていた。

 人的被害はないが、同振興局は「風が強い状態が未明まで続くので、さらに被害が拡大する恐れもある」(地域政策課)としている。桧山振興局によると、桧山で被害は報告されていない。

 渡島、桧山の31日午前6時までの12時間雨量は150ミリの見込み。最大瞬間風速は渡島東部、北部、西部、桧山の陸上で35メートル、海上で45メートル。波の高さは渡島東部9メートル、北部7メートル、西部6メートルと予想される。

提供 - 函館新聞社

その他の新着ニュース

前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです