道南公共工事過去10年で最低

update 2016/4/17 10:26


 北海道建設業信用保証(札幌)がまとめた、前払い金保証実績に基づく2015年度の公共工事動向によると、道南の請負金額は前年度比22・5%減の673億1300万円で、過去10年で最低の水準となった。北海道新幹線関連による特需が終了したことに加え、国や道からの発注工事が激減。先行きも好転材料が少なく、業界では不安の声が上がっている。

 道南地区の減少は2年連続。渡島は前年度比26・3%減の506億6400万円、桧山は同7・7%減の166億4900万円だった。

 道全体では同11・4%減の8451億2900万円。発注者別にみると、国が同12・4%減の2713億500万円、道が同8・9%減の1837億7300万円、市町村が同14・3%減の2508億6500万円となっている。

 政府の景気対策として、14年度に大幅な前倒し発注が行われた反動もあり、道南全体の減少幅は、直近10年で最大となった。函館建設業協会の菅原徹副会長は「一般土木や港湾を中心に、道の発注分がかなり落ち込んだ」と話す。

 政府は5日の閣議で、本年度予算のうち、公共事業などの8割にあたる10兆円規模を9月末までに前倒しして執行する方針を決めたが、市内の関係者は「急激に上向くことは期待できない。実際に工事が始まるのは大型連休後で、それまでに持ちこたえられない企業が出てくる恐れがある」と懸念する。

 4月に入り、道南では体力を失った土木工事業2社の倒産が実際に発生しており、今後も増加する可能性をはらむ。

 また、市内の建設業では人手不足も深刻な問題だ。函館公共職業安定所によると、建設関連の求人数は、求職者数の1・5倍を超える状態が続いている。同協会の福西秀和副会長は「技術者が足りない上に、作業員の高齢化も進んでいる。需要が増えた時に対応できるよう、業界全体で取り組まなければならない」としている。

提供 - 函館新聞社

その他の新着ニュース

前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです