川内原発再稼働 道南政界 賛否交錯

update 2015/8/12 10:23


 鹿児島県薩摩川内市の九州電力川内原発1号機の再稼働について、道南の政党関係者からは「容認できる」「命よりも稼働を優先させた」と賛否の声が上がった。福島第一原発事故がいまだに収束を見ていない中、再稼働断念を求めていた市民団体の反発は一段と強まっている。

 自民党の前田一男衆院議員は「地元合意が図られ、かつ厳しい審査基準を満たした今回の再起動を是としたい」とした上で「ただ、万が一の事故もあり得るので、避難対策は十分に講じられるべきだ」と強調した。民主党の逢坂誠二衆院議員は「新規制基準に適合したとはいえ、避難計画も火山対策も、40年廃炉原則の扱いも不十分。事故の際の責任は電力会社が負うと言うが、福島の現実からそれは絵空事だ。命よりも稼働を優先させる政府の姿勢に憤りを感じる」と批判した。

 大間原発訴訟の会(函館)の竹田とし子代表(66)は「現地では全国から集まった人たちがゲート前抗議を行っていたので、何とか止めさせたかった」と唇をかんだ。「原子力規制委は新規制基準に基づき審査するだけで、安全は保障しないと言う。事故が発生したら誰が責任を取るのか。大間だけでなく、他の原発も稼働を許してはいけない」と語気を強めた。

 「バイバイ大間原発はこだてウォーク」の中心メンバー高橋泰助さん(63)は「高レベル放射性廃棄物処分場も決まらない中での再稼働は未来に遺恨を残す。無責任だ」と指摘した。

 大間原発(青森県大間町)の建設凍結を求め、国と電源開発を相手に訴訟を起こしている函館市総務部は「川内原発再稼働の是非に言及するものではない」と前置きした上で「原発の再稼働、新規稼働には半径30`圏内(緊急時防護措置準備区域=UPZ)の周辺自治体の同意と実効性のある避難計画の確保が必要と考えており、大間訴訟でもこの点を主張している」とした。

提供 - 函館新聞社


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