ヤリイカ産卵行動観察…水産・海洋総合研究センターで実験中

update 2015/5/2 10:15


 函館市国際水産・海洋総合研究センター(弁天町)の大型実験水槽でヤリイカの産卵行動を観察する実験が行われている。雄同士が威嚇し合う様子や、人工の産卵礁では房状の卵塊を確認することができる。実験は12日までで、2〜6日も特別開館する。

 北大大学院水産科学研究院の桜井泰憲特任教授が4月下旬から約30匹を放って実施。同センターに300dの水槽が設置されたことから可能になり、「群れの中での産卵行動を観察する実験はおそらく国内で初めて」とする。

 ヤリイカは冬から春にかけて産卵期を迎え、水槽内には岩と板を組み合わせた産卵礁を設置。雌の外套長(足を除いた長さ)は30a程度で、雄は一回り大きく40a程度。さらに「スニーカーオス」と呼ばれる雌と同サイズの雄がいる。

 大きな雄同士は互いに産卵場所をめぐって、並行に泳いで体の大きさを競ったり、相手を攻撃したりする行動を取る。勝った雄はペアとなる雌を誘導しながら産卵礁に移動。この際に、小さなスニーカーオスが産卵中のペアに近づき、交接するという。産み付けた卵塊はフジの花やブドウのように房状にぶら下がっている。桜井教授は「大きいオスの子孫だけが残るのではなく、小さいオスの行動により遺伝的多様性が守られる」と話している。

 大型水槽での実験終了後は卵塊を別の水槽に移し、6月中旬ごろにはふ化する見通し。また、連休明けには、砂地に卵を産み付けるジンドウイカ(外套長12a程度)の群れを放ち、同じく産卵行動の観察を予定する。

 開館時間は午前10時〜午後4時。

提供 - 函館新聞社

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