狭き門′ヰ必至 函館市区8人乱立【15統一地方選】

update 2015/3/8 10:19


 4月3日の道議選告示まで、残り1カ月を切った。函館市区は今回から1議席減り、定数5の狭き門≠ニなる中、現在までに8人が名乗りを上げ、道内有数の激戦区となる見通しだ。北斗市区や桧山振興局区も現職と新人の一騎打ちとなる構図が固まり、各陣営は支持拡大に向けて臨戦態勢に入っている。

 函館市区の鍵を握るのは、3人擁立と強気の戦略に出た民主党。現職の平出陽子氏(66)と高橋亨氏(61)、函館市議から転じる新人の見付宗弥氏(45)を公認したが、支持組織の連合は現職2人を推薦、新人は支援にとどめた。一方で、高橋陣営と連動する函館市議選候補は現職4人、見付陣営には現職1人と新人1人が付いたが、平出陣営は2人目の新人市議候補擁立を同党が見送ったため、現職2人のみとアンバランスな面もある。

 平出陣営は「女性も男性も生きやすい社会を目指し、弱い立場の人たちに光を当てる政策に取り組んできた。地域や市民に浸透させていくしかない」。高橋陣営は「自公の現職が安定している中で、民主の3候補擁立がどう影響するか読み切れていない。誰がこの4年間仕事をしてきたのかをきちんと見極めてもらえるよう政策を訴え、浸透を図っていく」とする。

 見付氏は引退する斉藤博氏(63)の後継との位置付けだが、これまで斉藤氏を支えた労組の一部は平出、高橋両氏に割り振られた。陣営幹部は「スタートから差があり、若年層を含めてあらゆる層に浸透させる活動を進めなくては」と危機感を募らす。

 自民党は現職2議席の死守が至上命題。川尻秀之氏(69)、佐々木俊雄氏(64)とも道議会の合間を縫って支持者回りを精力的にこなす。川尻氏は「保守系支持の企業、団体のすみ分けに問題はない」とし、それぞれ知事選と連動して支持拡大を図る。

 前回は川尻氏がトップ当選、佐々木氏が2位と安定した戦いぶり。今回も上位当選を目指し、北海道新幹線を活用した地域経済の活性化を訴えるが、定数削減に加えて新人出馬などによる保守票の分散が懸念材料。佐々木氏は「情勢は混沌としている」と引き締めに懸命だ。昨年12月の衆院選で前田一男氏が民主党の逢坂誠二氏に敗れたことも尾を引いており、両陣営とも「衆院選で民主に弾みがついたことは間違いない。勢いや盛り上がりには警戒が必要」と危機感をにじませる。

 公明党現職の志賀谷隆(61)氏は前回3位。今回も手堅い組織戦で臨むが、「上の方にはいない。最後の1議席を何人かと争うことになる」(陣営幹部)。激戦区になると認識した党中央の幹部がここ数週間で2度函館入りし、てこ入れを図った。

 道南ドクターヘリの導入など、1期4年の実績をアピールする考え。自身と同様に函館市議から転じる候補者もいる中、志賀谷氏は「自分は市議を20年経験した。負けるわけにはいかない」と語気を強める。

 共産党新人の本間勝美氏(46)は週5回の街頭演説のほか、党後援会や町内会の集会に精力的に参加。陣営幹部は「無党派層からの支援拡大が期待される」と8年ぶりの議席確保に手応えを感じている。本間氏は「道議会でも地域の課題を吸い上げ、市民の声を道・国政に必ず届ける」と話す。

 無所属新人の広田知朗氏(53)は「このままでは投票率が下がる。市民に新しい選択肢を提供したい」と、既成政党への批判票獲得を狙う。週明けにも街頭演説や集会など活動を加速させるが、「他陣営と同じように普通のことをしていても絶対に追いつかない」(広田氏)と、活動を差別化していく構えだ。

 また、過去3回出馬した元函館市議、大日向豊吉氏(64)も出馬を模索している。

提供 - 函館新聞社

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