歴風会文化賞が決定

update 2015/2/3 10:11


 函館の歴史的風土を守る会(歴風会、佐々木馨会長)は2日、歴史的な建造物の貴重性や持ち主の保存に対する努力や景観へ寄与した個人・団体を表彰する本年度の「歴風文化賞」を発表した。保存建築物は豊川町稲荷神社社務所(函館市元町7)と笠井美枝邸(同花園町37)、再生保存建築物に原眞人邸(同船見町3)が選ばれた。個人賞には箱館歴史散歩の会を主宰する中尾仁彦さん(72)、団対象がはこだて外人居留地研究会(岸甫一会長)、原風景に「横津連峰」を選んだ。表彰式は20日午後6時半から、五島軒本店(末広町)で開かれる。

 豊川稲荷神社社務所は1934年の大火直後に建てられた木造2階建ての建物で、モルタル仕上げの外壁や側面の丸窓などが特徴的。室内の間取りや装飾などが創設時の姿で保存されており、「昭和初期の建築物の歴史を知る上で貴重」と評価した。

 笠井邸は1945年に建てられた大規模な農家住宅で、室内の建具や囲炉裏などがきれいな姿で保存されている点が評価された。構造材も釘をほとんど使用せず組まれ、耐久性の高さを表している。

 原邸は明治時代中ごろに建てられたといい、当時は1階が洋室の応接間、2階を和室の書斎として使用していた。木々が生い茂る風情のある庭があり、明治時代の建築の歴史を今日まで伝えている。

 個人賞の中尾さんは、西部地区を中心に訪ね歩き、名所や文化・風土を見聞きして多くの人々に魅力を伝えてきた。ことし1月には活動が130回を迎え、「郷土函館に根ざした活動」が評価された。

 団体賞のはこだて外国人居留地研究会は、リーフレットの発行や講演会を開くなどし、国際交流の歴史研究を行っている。ことし春には外国人旅行客を対象にした小冊子を発行する予定で、地域の再生を目標に活動を続けている。

 横津連峰は横津岳、烏帽子岳、袴腰岳が連なっており、四季折々に変化する美しい彩りを評価。同会は「遠く縄文時代以前から現在まで変わらぬ形で我々を見守っている」として原風景に認定した。

 歴風賞は1984年から始まり、本年度で32回目。函館や近郊の歴史ある建物を後世に伝えようと、昨年までに約180件を表彰している。

 表彰式後には、市街並み基金などへのチャリティパーティーも開かれ、ビンゴ大会やプレゼントクイズなどを行う。会費は5000円(チャリティー分を含む)。問い合わせは同会の対馬誠さん(電話090・6214・8191)へ。

提供 - 函館新聞社

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