道南の53公立学校 津波浸水の恐れ

update 2014/10/30 10:10


 文部科学省が28日に発表した公立学校を対象とした津波対策状況調査で、大規模津波が発生した際に浸水が想定される学校数は道南では渡島管内49校、桧山管内4校の計53校となった。各市町の教育委員会は、校舎移転や高層化などの対策は現実的には困難とする一方、避難訓練を定期的に実施するなど、防災教育の充実に力を入れている。

 調査は今年5月1日現在の状況をまとめた。浸水が想定される公立学校、幼稚園などは全国2860校で、道内は205校。このうち、道南では函館22校、北斗7校などとなった。

 北海道太平洋沖を震源とする巨大地震を想定した道の津波浸水予測図では、旧函館市でも広範囲が浸水区域となる。このため、調査結果の22校には、避難対象地域内での一時的な退避場所として、高層階を利用する津波避難ビルに指定している学校もある。同市教委は施設の移転や改修の予定はないとし、「学校の移転も地理的に困難」とする。

 海抜2・2bに位置する函館港小学校(港町1)では22日、地震と津波を想定した避難訓練を実施した。同校は「児童には早急に校舎3階に避難することを徹底している。訓練では保護者に緊急メールで情報を発信し、児童の引き渡しまでを盛り込んだ」とした。

 また、旧上磯地区の大半の学校が沿岸部に位置する北斗市でも、東日本大震災以降、各学校が地域と一体となった避難訓練などの対策を進める。同市教委は「子どもたちへの防災教育や危機管理の指導に努めたい」とし、市全体で減災の取り組みを進める考えだ。

 一方、桧山管内では、江差町の2校など計4校。1993年に北海道南西沖地震の大津波を経験した奥尻町の青苗小学校の校舎は1階部分をかさ上げした高床式の構造で、津波の襲来は予想されるが、ハード面の対策は完了している。

 ただ、国の有識者検討会が8月に公表した日本海を震源とする津波想定では、せたな町から松前町にかけての最大で約10〜23bの津波が押し寄せる予測が示された。新たな対応が必要となる学校は増えることも想定される。道教委は「避難経路を確保するなどの取り組みを促し、安全対策の強化を図っていきたい」としている。

提供 - 函館新聞社

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