上ノ国町、エゾバカガイ養殖に着手

update 2014/10/10 10:07


 【上ノ国】上ノ国町は、漁獲減を受けて近年休漁中のエゾバカガイ(アオヤギ)の養殖事業に、今年から試験的に取り組み始めた。専門機関と地元漁師らの協力のもと、今夏には人工授精に初めて成功。一連の養殖事業は専門機関でも難しいとされる中、町は「数年後に事業を軌道に乗せられるよう本腰を入れて臨みたい」と意欲的だ。

 エゾバカガイは、高級すしねたや刺し身、貝焼きなどに人気で、高値で取引される。ひやま漁協では、2009年度に172d(水揚げ額1億400万円)、10年度が204d(同1億2400万円)、11年度は153d(同9300万円)と順調だったが、12年度には、せたな町大成のみの32d(同2200万円)に急落。このため、上ノ国と江差近海では12年度から5年をめどに休漁措置を取っている。

 難題の打破にと、道総研室蘭水試(室蘭市)に水産担当職員が出向き、養殖のノウハウを学び、町内の栽培漁業総合センターで研究している。温度刺激で産卵を誘発する採卵に8月6日に初めて成功し、372万個の人工授精も成し遂げた。137万個がふ化し、このうち30万個(0・3_〜1・1_)が砂場にもぐり込もうとする沈着期幼生に育った。

 町は10月下旬に放流を予定し、5_に成長した稚貝3万個の確保を目標にしている。

 町水産商工課の伊勢昭彦課長は「効率のよい養殖方法の技術確立と安定供給にむけて研究したい」。栽培センターの木村直和主査も「不明な点があればその都度、室蘭水試などに連絡してアドバイスを受けている。漁師や地域の皆さんの協力も支えになる」とする。

提供 - 函館新聞社

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