石垣崩落 他部分にも危険箇所 どうなる野外劇上演

update 2014/4/11 09:44


 築造150周年の節目を迎える国の特別史跡・五稜郭跡内堀の石垣が一部崩落したことを受け、函館の夏の一大イベント「函館野外劇」の上演が危ぶまれている。野外劇の舞台となる場所を含む石垣部分に膨らみや欠けなどの危険箇所が見つかったためだ。市教委は主催者のNPO法人市民創作「函館野外劇」の会(中村由紀夫理事長)に対して上演が困難な状況であると指摘し、同NPOは郭内での場所の変更など別の方法を検討する。

 今年で第27回を迎える市民創作イベントで、総勢5000人超の市民によって上演される。

 市教委によると、3月27日に郭内南東部の石垣が幅約10メートル、高さ2メートルにわたって崩落。詳しい原因を調査中で、一部の立ち入りが禁止となった。今月8日には文化庁や道教委などの視察が入り、野外劇で舞台を設営している石垣部分にも危険箇所が見られたため、立ち入り禁止区域を拡大する考えだ。今後は専門家らと協議の上で修繕していく。

 これを受け、市教委は10日、同NPOと会談。「危険性があり、安全性確保のためにもこの場所での上演は難しい」と説明。同NPOも理解を示した。郭内上演については、計画書を提出した上で市教委などが検討し、可否を決める。

 同NPOによると、現段階では、これまで内堀に設営していた舞台を、郭内奉行所裏に設置しようと考えている。水がないため、船を浮かべられないなど演出にも変更がいる。また、観客の収容数も従来の1500人を下回る見通し。

 里見康彦事務局長は「函館の歴史や文化を伝えるため、多くの人に支えられてきた。今年もどうにか五稜郭で上演したい」と話す。

 初日上演(7月11日)には既に約600人の予約が入っており、開催を待ち望む声も大きい。里見さんは「質を落とさず、函館ならではの野外劇を届けたい。1日も早く動きだすことが必要」としている。

提供 - 函館新聞社

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