大間原発差し止め、函館市が3月提訴

update 2014/1/19 10:26


 国と電源開発(東京)を相手取り、大間原子力発電所(青森県大間町)の建設差し止めを求める訴訟について、函館市の工藤寿樹市長が3月に東京地裁に提訴する意向を固めたことが、18日分かった。2月下旬開会予定の定例市議会に関連議案を提出する考え。提訴すれば、自治体が原発差し止めを求める全国初のケースとなる。

 工藤市長はこれまで、提訴時期について「早ければ3月、遅くても6月に決断したい」と話していた。23日告示の東京都知事選(2月9日投開票)で脱原発が争点に浮上し、世論の注目が高まると判断したとみられる。

 大間原発は津軽海峡を挟んで函館から最短23キロと近く、事故があった場合、遮蔽(しゃへい)物のない函館市に被害が及ぶ危険性が高いにもかかわらず、市に対する建設の同意手続きが不要なことから、司法の手に差し止めを委ねる狙い。全国的な関心事とするため、東京地裁に提訴する方針を打ち出している。

 電源開発は福島第一原発事故を受けて建設工事を中断していたが、2012年10月から工事を再開。今春をめどに原子力規制委員会に対し、新規制基準に基づく安全対策を満たすことを証明する「原子炉設置変更許可」を申請する意向を示している。工藤市長は安全審査の時期とともに、各地の原発が再稼働を申請する動きを念頭に置きながら、提訴のタイミングを見計らっていた。

 加えて、東京都知事選では脱原発を掲げる小泉純一郎元首相が、細川護煕元首相の出馬を支援すると表明。小泉元首相の主張を全面的に支持している同市長は、元首相の強い影響力を背景に、脱原発の機運が中央で盛り上がる可能性が高まると判断した。

 工藤市長は12年9月に提訴の意向を表明し、河合弘之弁護士(東京)ら弁護団10人に訴状作成を依頼した。電源開発に対しては、福島第一原発事故を踏まえ、事故が起きると自治体崩壊の危険にさらされるとして「地方自治体の存立権」を根拠とする考え。国に対しては「福島の事故原因を究明せぬまま作られた新規制基準では、安全確保が不十分だ」として、原子炉設置許可の無効と建設停止を求める。

 提訴には市議会の議決が必要で、市は2月末開会予定の定例市議会に関連議案を提出する見通し。市議会は12年9月、同原発の無期限建設凍結を決議しており、提訴への支障はないとみられる。

提供 - 函館新聞社


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