北方歴史資料館が閉館 高田屋嘉兵衛の資料展示

update 2013/11/17 10:12


 函館の開祖といわれる高田屋嘉兵衛(1769〜1827年)の北方開拓や、外交史に関する貴重な資料を展示していた北方歴史資料館(末広町23)が事実上、閉館している。館内の資料は、高田菜々館長(35)が引き取り、保存している。

 同館は嘉兵衛の7代目子孫・高田嘉七さん(享年79)が社団法人北方歴史研究協会を立ち上げ、1988年に自己資金で建設。登録博物館として運営してきたが、11年11月に嘉七さんが急死し同月末から休館していた。12年8月、学芸員の資格を持つ次女の菜々さんが引き継ぐこととなり、東京から転居して館長となり、開館した。

 しかし、民間の施設であることから運営に対する公的助成はなく、収入は入館料のみで、菜々館長の再開は厳しい船出だった。さらに資金や役員の問題で、今年11月末以降、同法人が認可を新たに受けることは難しいとされていた。結果、大きな支援先を探すことは難しく、今年4月から休館し、同法人の解散も決定。9月中旬には資料が菜々館長によって館から出されていた。

 菜々館長は「資料は散逸しないようにまとめている。建物などの今後は未定」と話す。嘉七さんと菜々さんに関わっていた市内の女性は「菜々さんも複雑な思いはあったと思う。函館を開いてくれた高田屋の子孫を支援できないほど、今の函館の経済状態が良くないことは残念」と話していた。

提供 - 函館新聞社


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