震災がれき受け入れ、道南自治体 対応に苦慮

update 2012/3/14 12:23


 【北斗】東日本大震災で発生したがれきの広域処理をめぐり、道南の各自治体が頭を悩ませている。放射性物質濃度の基準や市民理解など受け入れには障壁も多く、「国の基準が不明確な現時点では難しい」(函館市)、「許容量の問題で困難」(北斗市)と難航。被災地支援の実践とリスクを避けたい市民感情にどう折り合いをつけるか、難しい判断を迫られている。

 「市として受け入れを拒否することにはならない。だが、市民生活への影響がない形でなければならない」。函館市の工藤寿樹市長は函館新聞の取材に対し、がれきの受け入れに前向きな姿勢を示しながらも、国の基準への不信感や戸惑いから慎重な態度を崩していない。

 問題の背景には、焼却灰の放射性物質濃度に関する国の「二重基準」がある。放射性セシウムを含むがれきの焼却灰について、1キロ当たり8000ベクレル以下ならそのまま埋め立てられるとした国の基準に対し、原子炉等規制法では、放射性廃棄物として扱わないごみの基準を同100ベクレル以下に定めているためだ。

 昨年12月の定例市議会で工藤市長は「住民の健康への不安や基幹産業である観光、水産業に対する風評被害への懸念がある。放射性物質に関する国の基準が明確となっていない現段階での検討は困難」と答弁。その後の取材では「仮に受け入れたとした場合、基準は(1キロ当たり)100ベクレル以下がベースとなる」と態度をやや軟化させている。

 市環境部によると、七五郎沢廃棄物最終処分場(東山町)で「不燃」の埋め立ては許容量の問題で難しく、木くずやプラスチック類などの「可燃」でも日乃出清掃工場(日乃出町)で受け入れ、焼却できる量は年間1万3000トンが限界という。一方、同部には震災後にがれきの受け入れに反対する市民らからの電話やメールも約20件寄せられている。

 小柳辰夫環境部長は「焼却やモニタリング調査の方法も定まっていない中では、市民に説明ができない」とあくまで慎重な構え。市で独自に受け入れ基準を策定するのも難しく、「受け入れたいのは山々だが、いまは国や道が明確な安全基準を示すのを待つしかない」と悩ましい。

 北斗市も一般廃棄物最終処分場(中山)は許容量に問題があり、渡島の10市町で構成する渡島廃棄物処理広域連合の可燃ごみ処理施設「クリーンおしま」(館野)も、連合長の高谷寿峰市長が2月の同連合議会で「自己処理分で精いっぱいの状況」と述べ、実質困難であるとの認識を示している。 七飯町は、昨年4月の段階で町仁山の一般廃棄物最終処分場で3000トンの受け入れが可能としていたが、同12月の町議会定例会で中宮安一町長が放射性物質検出の懸念から、この判断を撤回することを表明。松前、福島、知内、木古内町で構成する渡島西部広域事務組合は福島町千軒の最終処分場で、放射性物質の不検出を前提に、焼却灰など1万立方メートルの受け入れを検討している。

提供 - 函館新聞社


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