被災地の現実 写真に残す

update 2011/8/15 01:21


東日本大震災から5カ月―。被災地でボランティア活動を続ける、仙台市在住のアマチュア写真家篠原治樹さん(33)による写真展が、ギャラリー三日月(弥生町23)で開かれている。廃虚と地上風景を撮影した幻想的な作品に加え、篠原さんが被災地を訪れた際に撮影した写真を見ることができる。8月上旬に被災地を訪れ、物資を届けたという篠原さんに、被災地の状況などを聞いた。

 篠原さんは、4月上旬、知人とともに宮城県石巻市などに粉ミルクなどの物資を届けた。町はがれきに埋もれ、建物に漁船が突き刺さり、震災や津波の爪痕が残っていた。報道で目にはしていたが、電気や水道が使えない状況を自らの体で感じ、被災地の厳しい現実を実感したという。

 しかし、現地では、自ら被災者でありながら、復興に向け、前を向く人々の姿が見られた。今できることに全力を尽くす人々の姿に「自分にできることをやらなければ」と、シャッターを切った。泥にまみれた家の中や家具、たき火で暖をとる住民の様子などを撮影した。

 その後も、篠原さんは、仕事の休みを利用し、仲間と共に支援物資を届けた。除々に道路が整備され、お風呂や仮設住宅が建ち、生活環境が整っていた。しかし、被災地では、住宅の立地条件や段差、高齢者の孤立や体の運動労力の低下など、さまざまな問題を抱え、厳しい状況が続いているという。「高齢者の見守りボランティアなど、多くの人の支援を必要としている」と力を込める。

 震災後、篠原さんは、函館での個展を開催するか悩んだという。しかし、少しの間でも現実と離れ、異次元の世界を楽しんでもらいたいとの思いで開催した。

 篠原さんは「震災を忘れてはいけないが、現実から少し離れる時間も必要」とし、「自分たちにできることを見つけながら、被災地の復興に向け、活動を続けたい」と話していた。

提供 - 函館新聞社


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