震災1カ月、朝市の活気徐々に

update 2011/4/12 11:59


 東日本大震災から1か月。大量の海水が流れ込む被害に遭うも、1日にほぼ全店で営業を再開させた函館朝市。軒先には鮮魚が並び始め、観光客が戻りつつある。「ここは函館の顔≠セ。必ず観光客は戻ってくる」と、関係者は力を込める。

 「このままじゃ本当にまずいと思った」。朝市の一角で鮮魚店を営む「マルヨ吉岡商店 蟹商」代表の吉岡照夫さん(58)は呟く。壊れた冷蔵庫などを取り替え3月20日に営業を再開させたが客足は少なかった。ようやく活気を取り戻しつつある朝市の様子に「もっと観光客が増えてくれれば」と願う。

 函館朝市協同組合連合会(井上敏広理事長)によると、冷蔵・冷凍庫や水槽などの被害総額は億単位に上る見通し。全店とも厳しい経営を強いられる中、松田悌一事務局長は「後は、例年通り観光客が来るのを待つだけ」と前を向く。

 さらに気になるのが、4月下旬から始まるゴールデンウイーク(GW)。毎年多くの需要が見込める時期だけに、「ここでお客さんが来れば、5月中旬以降は明るい」と吉岡代表。

 店頭で商魂たくましい接客に励む高田屋水産の小野昭光さん(36)も「お客さんから励ましの言葉を掛けられることもあった」と振り返り、「GWに向けて地道に声掛けしていく」と力強い。

 人情味ある朝市の人々の姿に、観光客からも期待を寄せる声が聞かれる。愛知県から新婚旅行で函館を訪れた野元敏明さん(36)、幸恵さん(31)夫妻は「朝市が早く復旧したおかげでよい思い出をつくることができた。津波被害に負けないで」。

 松田事務局長は「お客さんは戻ってくる。そう信じて頑張るだけだ」と話している。

提供 - 函館新聞社


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