タイの若手作家・ウティットさん講演

update 2010/3/28 16:35

タイの現代文学若手作家、ウティット・ヘーマムーンさんの講演会が27日、函館市大森町のサン・リフレ函館で行われた。全国4カ所をめぐる第19回開高健記念アジア作家講演会の最終会場。ウティットさんは「(芸術への)空腹感が原動力になり、創作の満足感に導いてくれた」と芸術や文学への思いを語った。

 講演会は国際交流基金が主催。1989年に亡くなった作家、開高健の遺族の志をもとに90年から始まり、毎年アジアの文学関係者を日本に招いている。ウティットさんは芸術大で絵画を学び、映画や音楽制作を経て2009年に発表した3作目の長編小説「ラップレー、ケンコーイ」が東南アジア文学賞を受賞した。

 講演でウティットさんは生い立ちを振り返り、安定した生活より文学を追究する信念を語った。「芸術を学ぶものは脇見せず道を切り開くべき。己を見詰め、極め、打ち勝つことだけが芸術を極める方法」とし、「執筆活動を続けることは野生動物と親しくなるようなもの。対象によって一定の距離を持つなど細心の注意が必要だ」と持論を展開した。

 最後に「たとえどんなにタイで文学を占める場所が小さく、作家の評価が低くなり、読者の関心が薄くなっても困難を乗り越えるだけのこと。いつか私の作品の心に触れ、理解してくれる人がいれば満足だ」とまとめた。

 会場に集まった市民らはメモを取るなどして、興味深そうに講演に聞き入っていた。

提供 - 函館新聞社




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