「咸臨丸」の軌跡 野外劇で描く 「夢見る会」が構想、台本完成

update 2010/3/8 11:34

 【木古内】幕末の軍艦「咸臨丸(かんりんまる)」がサンフランシスコを目指し太平洋を横断してから150年目の今年、木古内町のまちづくり団体「咸臨丸とサラキ岬に夢みる会」(久保義則会長)が、野外劇上演の準備を進めている。すでに台本は完成。同会では「キャストやスタッフは町民が中心となり、手作りで舞台を完成させたい」と意気込んでいる。

 咸臨丸終えんの地、木古内町サラキ岬を中心に地域活性化に取り組む同会は、2011年が同船沈没140年の節目の年となることから、昨年から大きなイベントを計画。その中で野外劇上演構想が持ち上がった。

 舞台の脚本は、同会顧問で「咸臨丸 栄光と悲劇の5000日」などの著書がある札幌在住の作家、合田一道さんが執筆した。タイトルは「永久(とこしえ)に、咸臨丸」。舞台は3幕構成。同船で太平洋横断の快挙を果たした勝海舟と福沢諭吉の2人がサラキ岬に立ち、沈没した同船を回想する場面からスタートする。

 物語は、1860(安政7)年、日米修好通商条約を批准するため、幕府の使節団とともに、太平洋を横断した37日間の航海や大政奉還、箱館戦争、輸送船として迎えた最期などが描かれている。時代の波に翻ろうされ悲劇的な運命をたどる同船の歴史を、激動の幕末、明治史と合わせ表現。壮大な歴史絵巻となっている。

 キャストは勝海舟や福沢諭吉、榎本武揚ら主要な登場人物が約20人。同会事務局長の多田賢淳さんは「メーンキャストのほか乗組員らを入れると100人くらいの規模になる。町全体でひとつの舞台を作り上げていく。『咸臨丸子孫の会』にも参加してもらいたい」とし、「小さな規模から始めるが、毎年、イベントの際には上演し、いずれまちの新たな観光資源になれば」と期待を込める。

 脚本を担当した合田さんも「『夢みる会』が夢を見るだけでなく、大きな動きとなってきた。歴史遺産としての咸臨丸を多くの人に知ってもらうことには大きな意味がある。舞台づくりでは難しい部分もあるが成功させたい」と話している。

 初演は、同会が来年に計画している同船沈没140年記念イベントが有力。同会では今後、町民を中心にキャストやスタッフの募集をする予定だ。

提供 - 函館新聞社




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