函館市の110歳以上、戸籍上1005人に

update 2010/8/31 10:18

 所在不明の高齢者が全国で相次いでいる問題で、函館市は30日、戸籍がありながら住民登録がない110歳以上の所在不明者が、7月31日現在で1005人いることを明らかにした。最高齢は1861(文久元)年生まれの149歳の男性。主な原因として1934(昭和9)年の函館大火や、54(同29)年の洞爺丸沈没事故といった市特有の大規模災害などが想定される。年金の不正受給などの実害はないが、市は今後、函館地方法務局からの指示を得ながら、該当者の戸籍を削除する方針だ。

 西尾正範市長が30日の定例会見で明らかにした。

 市は先週、110歳以上で戸籍の付票に住民票がない人を対象に調査を実施し、1005人が判明。内訳は110―119歳が849人、120―129歳が133人、130―139歳が16人、140−149歳が7人だった。

 2007年3月から戸籍を電算化し、住民票がない戸籍も把握していたが、同部は「データの正確なセットアップが第一で、所在確認を並行して行うことは困難だった」としている。

 抹消されなかった原因として、函館大火や洞爺丸沈没事故などの際に、本籍や氏名が不明のまま死亡届が処理されたケースや、48年の墓地埋葬法の施行以前に死亡届が出されなかったケースなどを想定。これに加え「戦後の混乱期に樺太やロシアから引き揚げた際、新たに戸籍を作り直したケースも多いのでは」(須田正晴市民部長)という。

 函館地方法務局管内では、110歳以上の高齢者が所在不明となり生死が確認できない場合、自治体は法務局の許可を得た上で戸籍を削除できる。ただ、自治体が職権で削除する場合には「戸籍をさかのぼって、おい、めい程度まで調べて法務局に申請する必要がある」(同部)という。

 西尾市長は会見で「法務局と連絡を取り合いながら、慎重に対処したい」と述べた。

提供 - 函館新聞社




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