木古内町国保病院、外科医1人退職へ

 【木古内】医師の退職に歯止めがかからない木古内町本町708の木古内町国保病院(松谷茂幸院長)で8日、新たに常勤外科医1人が30日付で退職することが明らかになった。さらに院内の薬剤師1人も15日付で退職することも判明。来年5月オープン予定で新・木古内町国保病院の移転改築工事が進む中での事態に、関係者から不安の声が上がっている。

 8日に開かれた町議会総務・経済常任委員会(吉田忠義委員長)へ大森伊佐緒町長が報告した。退職理由に「一身上の都合」を挙げ、「引き続き関係機関を通じて、また、有料広告などの周知で医師の確保に努めたい」とした。

 議員からは「建物が立派になっても先生(医師)がいなければどうしようもない。医療サービスの低下は免れない。問題解決は新病院が完成してからでは遅い」などの声が聞かれた。

 今年1月27日の同委員会で医師不足問題が表面化。3月末付で常勤医8人のうち2人(小児科・内科)が退職し、今回の退職で残り5人となる。薬剤師は3人から2人となる。

 退職理由はいずれも一身上の都合だが、「これだけ短期間に退職者が続くのは異常。病院内に何らかの理由があるのではないか」と疑問視する議員もいる。これに対し、大森町長は「医師本人の事情があっての退職。病院経営の在り方を院長も含め、医局体制をしっかり話し合っていかなければならない」と話している。

 これまでは新病院でも院内薬局を継続する見通しであったが、薬剤師の減少を受け、医療法の基準から新病院では院外薬局に計画を変更せざるを得ない状況になりつつある。大森町長は薬剤師の確保も急務とした上で、「医師同様、全国的に薬剤師不足も深刻。開業(オープン)を優先し、院外薬局の方向で進めたい」と理解を求めるが、院内薬局を望む町民の声は少なくない。

 「医療サービスは維持できると思うが、今後、勤務の負担が予想され、これが理由となってさらなる退職者を生むことが心配」と危ぐする関係者もいる。

 渡島西部地域の救急医療の拠点としても位置づけられており、築年数36年で建物の老朽化が激しく、現在位置南西側手前(海寄り)に4階建て延べ床面積約7500平方メートルの新病院の移転改築工事が行われている。

update 2009/6/9 12:40
提供 - 函館新聞社


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