北前船の寄港地集まりフォーラム

 【松前】「第4回北前船寄港地フォーラム」(実行委主催)が22日、松前町総合体育館で開かれた。江戸時代、日本海を航路に北海道と本州の交易を担った「北前船」の歴史と功績を振り返り、まちづくりや観光振興について意見交換。町民や寄港地関係者ら約800人が参加し、「北前船が各地にもたらした栄華を今によみがえらせよう」と現代版“北前船”の羅針盤を探った。

 山形県酒田市、秋田県にかほ市と男鹿市に続き、道内では初開催となった。テーマは「新時代の、北前船浪漫を求めて」。観光庁観光地域振興部観光資源課長の水嶋智氏とJR北海道社長の中島尚俊氏が基調講演した。

 水嶋氏は「住んで良し、来て良しと自分が住む土地に誇りを持つことが重要。その土地ならではの姿が観光客の魅力となる」と指摘し、「人と人との生身の触れ合いが感動を招く。子どもも含めて住民一丸で観光を充実させようとする意識が重要」と述べた。中島氏は2015年度開業の道新幹線に触れ、「新幹線がただ来ればいいという発想ではなく、あと6年どう準備するか、広域的な連携の強化でその利益の享受を多く長くする知恵を絞ってほしい」と強調した。

 作家の石川好さんが進行役のパネル討論には、JR東日本の見並陽一常務やANAセールスの浅川修代表、JALツアーズの布留川成明常務ら計7人が登壇。

 「北前船は物資とともに各地で生活する人々の心をつないできた」と一様に口をそろえ、各寄港地に共通するものとして自慢の食材を挙げた。また、おいしい食べ物の人気はいつの時代も不動で、食や体験を生かした積極的な観光事業に切り替える必要性も指摘された。

 石川さんは「陸と空のライバル同士がこうしてアイデアを持ち寄り、地域の発展を考えることは実に素晴らしい。このフォーラムの意義そのもの」と締め、会場から大きな拍手が起きた。

 町内の永井竹子さん(68)は「活発な意見を聞いて、あらためて古里を盛り上げたいと思った」、ボランティア観光ガイドとしてまちの魅力を伝える松前高校3年生の木田亮君(17)と堀川里菜さん(17)は「今日の話はすべて勉強になった。まちを好きになることは自分や地域、ここに足を運んでくれた人の幸せづくりにつながると感じた」と笑顔だった。

update 2009/5/23 10:48
提供 - 函館新聞社


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