四稜郭築造140周年で慰霊祭や祝賀会

 函館市陣川町にある国指定史跡・四稜郭の築造140周年記念行事が17日、四稜郭や神山町会館などで行われた。神山町会(木村一雄会長)のメンバーらでつくる実行委の主催。大圓寺(武藤龍真住職)では無縁仏となった幕末の傷病者らを弔う慰霊祭も行われ、参列者は無念の死を遂げた犠牲者の冥福を祈りながら祭壇に手を合わせた。

 1869年、旧幕府軍兵士や近在農民らで築造された四稜郭は国の特別史跡・五稜郭から北東へ約3キロ離れた陣川町の高台に位置。戦後間もなく市民有志が神山史跡保存会を結成し、1980年代になると同町会史跡保存部が植樹や草刈りなどの環境整備事業を引き継いだ。

 同保存部を中心に同町会は市教委の協力を得ながら、敷地内でスズランの植栽や東屋、水飲み場などの整備、ごみ拾い、サクラの剪定(せんてい)などを実施。記念行事は築造120周年の89年から10年ごとに行われており、記念植樹、戦没者慰霊祭、式典祝賀会を開いている。

 この日は午前9時ごろ、同町会員や来賓ら約20人が四稜郭に集合。節目を祝おうと入り口前にサツキの苗木65本をを植えた。続いて大圓寺に会場を移して慰霊祭を実施。武藤住職が読経する中、参列者は一人ずつ焼香を済ませた。同寺門前にある無縁塚でもしめやかな法要が執り行われ、参加者は戦没者への思いを新たにした。

 この後、町会館で式典祝賀会が開かれ、町会員や多賀谷智市教育長ら来賓を含め約55人が出席。長年四稜郭の整備に携わってきた町会員ら5人に感謝状が贈られた。

 木村会長は「今回の節目を機に10年後に向けて一層整備や保存活動を進めたい。素晴らしい史跡が町内にあることの喜びをかみしめながら、五稜郭と並ぶ憩いの場として広く市民に利用してもらえるよう努めたい」と決意を新たにしていた。

update 2009/5/18 10:50
提供 - 函館新聞社


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