歩道拡幅が好機、露店を核に活性化…市民の台所「中島廉売」

 「市民の台所」として親しまれている函館市内の中島廉売が、戦前から続く歴史ある「露店」を核にした活性化を目指し、本格的に動き始める。市が計画する大通り(市道)の歩道拡幅工事が好機となり、露店の新規出店が可能となる見通しが立ったためだ。中島町商店街振興組合の二本柳秀樹理事長(57)は「露店は廉売のルーツ。新たな出店を募り、にぎやかさを取り戻したい」と説明。対面販売による人との触れ合いを重視した地域密着型で、商店街の魅力を打ち出していく考えだ。

 1934年から商店街が形成され、70年以上の歴史を持つ中島廉売は、全国的にも珍しい通年営業の露店が軒を連ねる。ただ、最盛期に100軒あった露店も店主の高齢化に伴い現在は13軒にまで減少した。

 さらに、同じ商業圏に大型スーパーの出店が相次ぐなど、客離れへの危機感も強まっている。こうした現状を打破しようと、同組合は高齢化社会に適応したサービス向上に向け、露店の文化を次代に残し、歩道整備で買い物客がゆっくりと行き交うことができる商店街を構想し、数年前から活性化計画を練ってきた。

 市や同組合によると、商店街の真ん中を通る大通りは都市計画決定で車道を広げる予定だったが、周辺住民や商店街の反対で30年以上事業が凍結していた。昨年2月の計画変更で正式に都市計画から外れ、同組合の要望を取り入れた形で市が本年度から3年計画で歩道整備に着手することを決めた。

 現在は露店スペースとその前の通路の幅計4・5メートルが歩道になっているが、拡幅工事に伴い露店スペースとその前の通路を市有地とし、露店の後ろに別途歩道1・5メートルを設けて計6メートルに広げる。市有地に露店が設置されるため、新規出店の規制が緩和される。同組合では新規で20店程度の出店を目標にしている。

 向かい側の歩道の幅は3メートルから3・5メートルに拡張し、車道幅は10・5メートルから8・5メートルに縮小。歩道をカラー舗装にし、照明も付け替える。初年度は1月末から3月末まで、総延長340・のうち廉売入り口から約95メートルの区間を整備する。

 二本柳理事長は「露店が廉売の目玉になるのでは。アクセサリーショップなど若い人たちにも出店してもらいたい」と期待する。市商業振興課は「中島廉売は歴史的にも函館の大切な財産。全国でも珍しい露店を生かした商店街づくりを進めてほしい」と話している。

update 2008/12/13 11:04
提供 - 函館新聞社


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