「中空土偶」一般公開スタート

update 2007/6/2 10:25

 道内初の国宝指定が決まっている、函館市尾札部町の著保内野(ちょぼないの)遺跡で出土した「中空土偶(茅空=かっくう)」が1日、南茅部公民館(同市川汲町)で公開された。第一発見者で尾札部町在住の主婦、小板アヱさん(74)も会場を訪れ、「茅空、元気で帰ってきてよかったね。出世したね」と話しかけ、「涙が出るくらいうれしい」と再会を喜んだ。

 中空土偶は1975年8月、小板さんが畑作業中に発見。79年に国指定の重要文化財となった。約3200―3300年前の縄文時代後期に作られたとみられ、高さは41・5センチ、幅20・1センチで国内最大級。頭部の一部と両腕は欠損しているが、ほぼ完全体で出土した。内部は空洞で、厚さは5―7ミリと薄く、全身に施された細かな文様など、精巧さや高い芸術性が国内外で評価されている。

 この日は、午前9時の公開とともに、待ちわびた多数の市民らが来場。“縄文のビーナス”と呼ばれる美しい姿に太古のロマンを思い描いていた。同市臼尻町の嘱託職員二本柳強さん(64)は「本物を見るのは今回が初めて。立派の一言。南茅部の活気になるように、地元も一丸となって協力していかないと」と話していた。

 市教委の阿部千春参事は「地域から国宝が誕生したことは誇り。南茅部は中空土偶だけではなく、縄文文化が栄えていた地域。あらためて、この豊かな海を縄文時代から引き継いでいることを知ってもらうよう、命の大切さを発信していきたい」と話していた。

 南茅部公民館での公開は3日まで。入場無料で、午前9時から午後5時まで。7月には市立函館博物館(青柳町)での特別企画展でも展示される予定。

提供 - 函館新聞社



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