花見マナー守って!! 地面に炭、掘りにごみ…

update 2008/4/28 12:37

 26日に満開を迎えた函館市のサクラ。五稜郭公園では大勢の花見客が訪れ、シートを広げ炭火で焼き肉を楽しむ姿が見られる。本道ならではの花見だが、後始末が悪いグループもいて、散策や写真撮影を楽しむ人から「せっかくのサクラの名所が台無し」との声が上がっている。同公園管理事務所などではマナー遵守を訴えるしかなく、傷ましい姿になった公園の清掃に追われている。

 「色んな楽しみ方はあるが、公園を汚してまで楽しむことは許されない」。同市亀田港町の写真愛好家の男性(72)は語気を強める。時間によって変わるサクラの表情を捉えようと、開花中はほぼ毎日、朝から夜桜まで公園内を回るという。「焼き肉の煙りは写真に影響するが仕方ない。しかし、ごみが散らかり、シャッターを押せないのは怒りを覚える」。同公園管理事務所は「公園内は風が強く、放置されたごみは風にあおられ、堀に落ちていく。ボートに乗り、ごみを拾い集めるのは大変」と苦労を話す。

 朝に散策する同市中道の女性(66)は「木の根元に炭があるのを見かける。サクラがかわいそう」と話す。同公園管理事務所では、消した炭を入れる箱を設けているが、地面に巻かれていることがあるという。

 五稜郭のサクラは樹齢が高く、傷んでいるものも多い。市住宅都市施設公社などでは後継樹の育成に力を入れている。そんな一方でサクラを傷つける行為に市民らは憤りの声を上げる。写真愛好家は「場所取りや食べ物の用意を引き受けている店があるのだろうか。後片付けをしている一部で食べ残しや油を木の根元に置いていくのを見掛けた。マナー以前の問題」と説く。

 七飯町の桜研究家の浅利政俊さん(76)は「花が咲くときはサクラにとって“お産”の状態で、水分が必要な時期。油や炭で根毛を傷められるのは木にとって良くない。妊婦さんをいたわるようにサクラも優しく見てほしい。先人から受け継がれている絶景を後世に伝えるべきだが、自分ひとりくらいというマナーを乱す行為は慎んでほしい」と訴える。

提供 - 函館新聞社



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