湯の川温泉 湯量減少対策、早急に…市議会

2007/3/9
 函館市は、湯量の減少が指摘されている湯の川温泉の恒久的な資源維持対策を早期に実施する。道立地質研究所に委託している温泉資源の実態調査の結果が3月末に示される予定で、市議会や湯の川温泉旅館協同組合などの関係団体に結果と指針を示し、対策に乗り出す。

 8日の市議会一般質問で、阿部善一氏(民主・市民ネット)の質問に、井上博司市長と木下修一水道局長が答弁した。

 湯の川温泉は水位が低下し自噴がなく、各旅館やホテルに供給される湯はポンプでくみ上げている。市は1998年度に温泉供給条例を改正し、同温泉の揚湯(ようとう)量の縮減を始めた。94年のピーク時にはホテルや旅館、公衆浴場、一般家庭など185件に1日約6600立方メートルを供給していたが、今年2月現在では130件、同4900立方メートルに減った。

 ただ、温泉ブームで市内の源泉数は増加している。2000年度に50本だった旧市内の源泉は05年度で55本に増え、このうち湯の川温泉には市水道局所有で22本、民間所有で14本の計36本がある。

井上市長は、湯の川や谷地頭など古くからある温泉のほか、最近では柏木町やJR函館駅周辺などで掘削されていることを指摘。「温泉は長期的には循環再生が可能な資源だが、過剰な利用がされた場合、水位低下や泉質変化などの衰退、枯渇減少を招く恐れがあり、対策を講じる必要がある」と述べた。

 木下局長も、道立地質研究所から示されるデータ解析に基づく報告書を受け、貴重な観光資源でもある温泉資源の保護に向けた協議を早急に始める意向を示した。

 同日はこのほか、本間新氏(はこだて市民クラブ)、竹越勝昭氏(南かやべ議員団)、佐藤末光氏(恵山議員団)が質問に立った。予定していた黒島宇吉郎氏(無所属)は質問を取りやめた。

提供:函館新聞社

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