臨海研究所、いよいよ開所

update 2007/1/1 15:13

 函館市などが推進する国際水産・海洋都市構想の研究拠点となる「函館臨海研究所」(大町13)が、4月に開所する。同構想で市が所有する初の研究施設で、民間が主体となって水産・海洋関係の新技術や新製品の開発研究を進める。また、旧函館ドック跡地に計画している国際水産・海洋総合研究センター整備も、新年度は岸壁改修が本格化。西部地区に水産・海洋研究の施設集積を図る同構想の基盤づくりが、着々と進む。

 臨海研究所は、1926(大正15)年に建造された旧函館西警察署(景観形成指定建築物)を解体し、外観をそのまま復元した「レトロアンドフィーチャー」(古くて未来的)な建物だ。

 1区画約80平方bの研究室は1、2階に各3部屋用意し、月額4万5000円で民間研究機関へ貸し出す。研究室では水産・海洋関係の技術開発や技術の高度化、水産機器や軽食料品の新製品開発などが進められる。

 市内では、北大大学院水産科学研究院や公立はこだて未来大、道立工業技術センターなどで水産・海洋に関する研究が進められているが、大学や研究機関に民間企業が参加する「官主導型」だ。臨海研究所は「民主導型」の研究機関で、行政(市)が研究機関を整備し、民間の力で海洋構想を推進していくタイプ。

 市国際水産・海洋都市推進室は「新技術や研究成果を地域の幅広い産業に結び付け、産業化や起業化、雇用に結び付けるための研究拠点施設」と説明する。

 第1次産業には増養殖技術の応用や未利用資源の発掘、第2次産業には漁具や加工食品の製造、第3次産業では流通技術や産地情報伝達・発信、新商品の販売などを見込み、地域経済全体の活性化を目指す。

 また、旧函館ドック跡地に段階的に整備する国際水産・海洋総合研究センターは「知的人材や研究機関の集積を図る研究拠点基地」(同室)だ。市と協議して東京のコンサルタント会社が作成した報告書では、最短で2006年度から10年度までの5カ年で研究機関の整備を図る。新年度はドック跡地の岸壁改修が本格化する。

 まだ青写真の段階だが、集積を目指す研究機関は、水産庁の水産総合研究センター、北大北方生物圏フィールド科学センターの水圏部門、北大大学院水産科学研究院研究棟、道立函館水産試験場など。市は学会などが開ける会議室や企業向け貸し研究室、短期宿泊施設などを備えた共同利用施設を整備する計画。

 総合研究センターの整備により、各機関に集まる研究者や職員数は130人が見込まれている。国際的な水産・海洋都市づくりに向けた新・函館市の取り組みが一歩一歩進む。

 同室は「海洋構想は市内西部地区に研究施設の集積を図る内容で、新年度はその具現化の第1号として臨海研究所が開所する。総合研究センターは、港湾と一体になった複合的な研究基地づくりで、10年度の一部着工に向けて、関係機関と連携していきたい」と話している。

提供 - 函館新聞社



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