咸臨丸で町おこし、転換点に

update 2007/1/1 15:09

 【木古内】町亀川の更木岬沖に沈んだという旧幕府軍の戦艦・咸臨丸で町おこし運動を展開している「咸臨丸とサラキ岬に夢見る会」(久保義則会長)が活動開始から、ことしで4年目を迎える。会員のほとんどが町民という手作り運動は、毎年同岬に植え続けるチューリップが4万個を達成したことで一つの節目となり、“ハードからソフトへ”と、活動の大きな転換点を迎る。5月には満開の花とともに、新設する入り口看板や咸臨丸モニュメント、物産展が、道南各地からの観光客を引き付けるだろう。

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 同会は、隠れたまちの観光資源を掘り起こし、木古内の活性化につなげようと、町観光協会などが中心になり2004年に発足。咸臨丸の生まれ故郷・オランダから贈られたチューリップの植栽を同岬で始め、05年には「咸臨丸まつり」をスタート。昨年は、咸臨丸終えんの碑を設置するなど、活動の幅を広げてきた。

 発足当時に100人余りだった会員は、06年12月には500人を突破。チューリップの球根数も、会費や寄付などから資金を工面し、1年間に1万個ずつ増やしていった。植栽する花壇は、土木・建築会社などを経営する会員の協力を得て拡張。すべての会員が、自分のできる範囲で力を尽くしてきた。

 メーンの活動は、チューリップの世話だ。日常的な水やりなどは、町泉沢に住む港光栄さん(71)がほぼ1人で担当する。球根は、5月中旬ごろに開花した後、夏には掘り起こし、雪が降る前の11月には植え直す。その都度、会員らは忙しい日程を調整して集まり、手作業で土を掘り起こす。昨年11月に4万個を植え終えた久保会長は「咲いた様子はきっと壮観だろう。来年が楽し」とさわやかな表情で語った。

 ことしはさらに、咸臨丸モニュメントやイベント舞台、老朽化した入り口看板の新設に取りかかる。モニュメントは、札幌の会員が寄付したプレジャーボートを会員の西村幸光さん(66)町大平、西村造船所社長が改造。西村さんは雪解けから作業に取り掛かる予定で、「マストを2本立ててロープなどで飾り、咸臨丸そっくりの外観に加工する」と意気込んでおり、5月にはお披露目される見通し。

 さらにことしは、集客アップを狙い、ソフト面の充実に力を入れる計画だ。チューリップの開花時期に合わせた5月の大型連休からのほぼ1カ月間、新企画「サラキ岬チューリップフェア」を開催する予定。町内の商業者らと連携して特産物などを販売し、商業面の活性化にもつなげる。同会や商工会、観光協会の3者で1月に実行委を結成し、具体的な協議に入る。

 チューリップの開花時期は、松前町でさくらまつりが開かれており、自動車で国道228号を通る観光客が増加する。同会は「これまでは通り過ぎるだけの人が多かったが、ことしからは少しでも多くの人に木古内に立ち寄ってもらいたい」と夢を膨らませている。

提供 - 函館新聞社



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