市中央図書館開館1周年 広さ、本充実 好調

update 2006/11/26 13:39

 新たな生涯学習の拠点として期待がかかる函館市中央図書館(五稜郭町26、中山公子館長)が、27日で開館1周年を迎える。今月末には入館者数が延べ約80万人に達する見通しで、利用状況は好調だ。読書環境が整っただけでなく、絵本の読み聞かせや映画上映などの事業が定着し、ソフト面のサービスも向上。利便性の高い場所柄も手伝って、旧図書館(青柳町)と比べ、利用者の年齢層は格段に広がった。

 開館した2005年11月27日からことし10月末までの入館者数は、延べ75万7833人。7月に年間目標の51万5000人を突破した。利用者カードの登録者数は6万2059人で、04年度の約1万7000人と比べ約3・6倍に増えた。

 平日2000人前後、休日3500―4000人が来館し、1日平均80人ほどが利用者カードの登録している計算になる。いまだに初めて図書館を訪れる市民らが後を絶たない。

 予想以上の盛況ぶりに、同館は「図書館の役割が目に見える形で広がり、市民の要望に対応できるようになったからでは」とみる。

 同図書館は旧図書館の4・5倍の広さで、道内では札幌市中央図書館に次ぐ規模。一般書だけでなく青少年向けの図書や雑誌が充実し、特に絵本は従来の約2倍の4万冊に増えた。

 長男(5)を連れて絵本を借りに来るという同市大縄町の主婦(33)は「新しく広くなったと聞いて最近来始めた。絵本は買いそろえると高価だが、ここにたくさんあるので子どもも選ぶのを楽しんでいる」と満足そう。

 開館後には、インターネットからの蔵書検索や本の予約が可能になり、ホームページに新刊案内や、貸し出し・予約の多い本を掲載。テーマを設定して推薦図書を展示するなど順次、ソフト面でもサービスが拡充されている。旧図書館時代にはできなかった絵本や紙芝居の読み聞かせ、映画・アニメの上映会は親子連れに好評だ。

 また憩いの場、学習の場として、読書以外の目的でも多くの人に親しまれている。週に2回は来館するという同市東川町のパートの女性(62)は「本を読むというよりリラックスできる雰囲気で、気軽に来られるのがいい」と話す。

 午前中は年配者がゆったりと読書、午後は中高生が机のある閲覧席で勉強する光景が見られる。特に試験前になると閲覧席は中高生でにぎわう。夏・冬休みには学習室として研修室を開放するなど柔軟に対応する。

 中央図書館の開館に向け、長年陳情活動に取り組んできた市民団体「函館の図書館と歩む会」の桶本建郎会長(61)は「中央図書館だけでなく、地域や学校の図書室を含めた『本に親しむ環境づくり』にも取り組んでもらいたい」と提言。団体としても協力していく考えだ。

 一方、禁止区域での飲食や閲覧席に荷物を放置したまま長時間席を外すなど、利用者のマナーが問われることも。同館は「これまで図書館を利用したことがない人が多く、今後はマナーも含めて図書館本来の使い方も周知していきたい」と話している。 

提供 - 函館新聞社



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