函館戦争の流れ詳しく…須藤隆仙さん著 論集第1巻出版

update 2006/11/18 12:47

 南北海道史研究会会長の須藤隆仙さん(77)が、これまでに執筆した論文などをまとめた「須藤隆仙著論集第1巻

 総覧『箱館戦争』」を出版した。過去の出版物で絶版になったものを復刻した形で、さまざまな関連論や史料のほか、須藤さんが作った箱館戦争の動きを解説する地図も集録。「箱館戦争に関する書籍の中で最も詳しい内容」と紹介する。

 須藤さんは数々の歴史研究に関する本に携わってきた。喜寿を契機に絶版となった本を復刻しようと作業を開始。第1巻は要望が多かった箱館戦争をテーマにした。1980年に新人物往来社(東京)から出版された「幕末維新戊辰戦争事典」の中で、須藤さんが担当した「北海道の戦い」を中心にまとめた。

 同事典は鳥羽伏見の戦いから箱館戦争までを網羅。須藤さんは当時、道内の動きを担当した。1868(明治元)年8月の「脱走艦隊北航」から、69(明治2)年5月の「五稜郭艦砲射撃と降伏勧告」、「五稜郭開城」までや、箱館戦争の意義など50編を日付ごとに記述している。

 「日記調の文章では戦争の展望がつかめないと思い、地図を付けた」。艦隊や軍の動きを約30枚の地図にして掲載。「箱館戦争の流れを学ぶのに便利な内容に仕上がった」と話す。

 後半は、同社から出版された「歴史読本」や「土方歳三の世界」などに紹介された内容をつづっているほか、戦争に関する人物などのコラム「五稜郭異色人物伝」や、エピソード、戦闘の年表、軍組織図なども盛り込んでいる。「土方歳三人気も良いが、戦争の背景も学んでもらえれば」と期待する。

 復刻第2巻は82年に国書刊行会(東京)から出版された「函館の1000年」から、原始、古代、中世時代の函館をまとめた内容を。第3巻は手宮(小樽)のフゴツペ古代彫刻についてを取り上げる予定。

 A4判、180ページ。一部2000円で、栄文堂書店(末広町8)で取り扱っている。または、同研究会にはがきで申し込む(実費負担)。あて先は、〒040―0055、函館市船見町18―14、称名寺内、南北海道史研究会。問い合わせは同研究会TEL0138・26・5225。

提供 - 函館新聞社



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