鹿児島と函館の友好を…市議会副議長北原さん語る

update 2006/9/12 12:01

 「函館市とは、多くの歴史的なつながりや、目指す都市像にも共通点がある」―。昨年12月、函館市から1400キロ以上離れた鹿児島市の議会で同市議の田中良一さんは「友好都市盟約を」と訴えた。共に港町として発展し、路面電車や、函館山と桜島からの夜景が美しいなど、10項目にわたる共通点を上げ、両市の交流が街づくり発展に寄与するとした。友好促進に前向きな姿勢を見せる函館市議会副議長の北原善通さん(70)は「両市の歴史的関係を市民にも知ってほしい」と話している。

 北原さんは昨年10月、田中さんらが視察に訪れた際、函館と鹿児島のかかわりを紹介。田中さんは「鹿児島と函館は似ている」と、早速議会でこの話題を取り上げた。

 北原さんが紹介したのは、北海道銀行を創立するなど道経済界の発展に尽力を注いだ薩摩藩出身の園田実徳(1848―1917年)。実徳の実弟彦七(1860―1928年)は、日本中央競馬会(JRA)調教師の武邦彦氏の祖父に当たる。北原さんは、武さんと幼なじみという。

 実徳は、海運界などで活躍する一方、1903(明治36)年、道庁から、桔梗町に800ヘクタールの牧場を貸与され「園田牧場」を開いた。鉄道開発にも力を注ぎ、04年(明治37)年には、函館―小樽間に鉄道を敷設。現在、桔梗町に駅があるのも、園田家とのかかわりが深い。13(大正2)年には、東川町 ―湯川町間に道内初の路面電車を開通させた。

 両市の間では、92年から商工会議所が姉妹盟約を結び、物産展などを通じ交流を進めている程度で、それほど盛んではない。北原さんは、函館形成の中に、鹿児島の人たちの尽力があったことを知り、市民も目を向けることが友好の第一歩と考える。

 中核市として先輩の鹿児島市。函館とは、歴史的背景で固く結ばれている。「共通点が多いのは、薩摩の人が、鹿児島に『追いつけ追い越せ』と函館を切り開いたから。共に国際観光都市を目指す鹿児島から学ぶべきことは多いはず」と、北原さんは話している。

           ◇

 園田家と武家 実徳の父彦右衛門は武家の出身で、弟彦七は、武家に養子という形で戻る。彦七は桔梗町の牧場管理を任される一方、函館の競馬界発展に尽力。その系譜は、長男芳彦、孫邦彦と続き、ひ孫の豊、幸四郎は現在、JRAのスター騎手として活躍している。

提供 - 函館新聞社



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