被害総額1億円以上…カード詐欺

2006/8/29
 消費者金融会社などのカード作らせてだまし取ったとして、住所不定、無職の男が詐欺容疑で逮捕、起訴された事件で、カードは計66人に作らせ、カードを使って引き出した総額は約1億1000万円に上ることが、函館西署のその後の調べで分かった。男は20―30歳代の男女に消費者金融店舗の清掃アルバイトの話を持ちかけては、カードを作らせていた。

 男は逮捕当時、札幌市内に住んでいた元飲食店経営者(44)。函館市内の調理師の男性(当時33)から、消費者金融会社数社のキャッシュカードを作らせてだまし取った疑いで6月13日に逮捕。函館と北斗市内の20歳代の女性2人からも、同様にカードをだまし取ったとし追送致された。

 調べによると、男は2004年1月ごろから犯行を繰り返していた。「借金がありカードが作れないので、他人にカードを作らせようと思った」などと供述しているという。

 男の自宅などからは、大手消費者金融会社やクレジット会社のキャッシュカードが大量に押収された。被害者は道南・道央を中心に、函館・北斗両市で19人、札幌市で25人など。仕事上、道南に土地勘があり、函館にも頻繁に足を運んでいたという。

 男は、飲食店で居合わせた被害者の料金を支払うなどして知り合い、高級外車を乗っているところを見せて信用させた。数回会った上で「消費者金融の無人店舗を清掃するアルバイトがある。働くにはカードが必要」などと、言葉巧みに持ちかけていた。

 被害者は、カード会社の審査を通過するため仕事を持ち、「一人暮らしで仕事に余裕があり、真面目でおとなしいタイプ」(同署)。複数のカードを作って渡し、100万円以上引き出されていた。中には、知らずに約300万円の“借金”を背負わされた函館市内の男性もいた。

 発覚を防ぐため、引き出した金のうち、約4800万円を利息分などとして返済したが、約6200万円を経営していた焼肉店の運転資金や遊興費に充てるなどし、約8700万円が被害者の負債として残っている。カード会社の約款などによると、被害者にも落ち度があるためこれらの債務を帳消しにするのは困難という。

 同署は「他人にカードを渡したり、暗証番号を教えたりしないで」と注意を呼び掛けている。

提供:函館新聞社

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