骨董品店「函館大正館古楽堂」があす移転オープン

2006/7/29
 函館市弁天町15で骨董(こっとう)品店「古楽堂」を開く板金職人の嶋崎正雄さん(62)は30日、店を「函館大正館古楽堂」に改称し、同町2に移転、オープンさせる。大正時代末期に建造された蔵を利用する。嶋崎さんは「隠れ家的な蔵で商売するのが夢だった」と、念願がかない、張り切っている。蔵は町おこしで盛り上がる大黒通り沿いにあり、地域住民も“新名所”の誕生を歓迎している。

 嶋崎さんは昨年5月、「箱館こっとうかん」2階で古楽堂を開業させた。蔵は紙専門店が1920年代に建造した、鉄筋コンクリート造りの2階建て。湿気を防ぐため、粘土にわらなどを混ぜてから石灰を塗る技法「漆喰(しっくい)」が用いられていて、木製の窓枠やひさしに傷みはあるものの、内部はしっかりしている。

 移転作業は、嶋崎さんが本業を終えてからのため、深夜に及ぶことも。約1カ月を要し、段ボール80箱以上の骨董品や家具類を蔵内に収めた。趣味が高じて集めた品々は、陶器や漆器、クリスタルの食器をはじめ、家具類には、たんすや火鉢などもある。

 開店初日はオープニングイベントとして、市内在住のペン画家志村功さん(66)の作品展を同店2階で開催。市内の観光名所をきめ細かく描き上げたペン画10点が飾られる。志村さんは、同店の看板制作にも携わっており、店の新たな門出を祝う。

 営業時間は、毎週日曜の午後1時―同6時ごろまで。30日のみ午前9時―午後4時。嶋崎さんは「老後の人生を送る場所を見いだせたことに喜びを感じる。大黒通りの町おこしに奮闘する有志の手助けになれば」と話している。

 問い合わせは、嶋崎さんTEL090・7059・7373。

提供:函館新聞社

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