ペリー来函時銀板写真、国の重文へ

update 2006/3/18 12:37

 1854(嘉永7)年の幕末に来航したアメリカ・ペリー提督に同行した写真師により撮影された銀板写真が17日、文部科学省の文化審議会文化財分科会で、国の重要文化財(歴史資料)として指定するよう文科相に答申された。写真は、外国人が日本国内で、日本人を撮影した現存最古のもの。「幕末開港交渉という歴史上に重要な事象を跡づける遺品」として認められ、北の写真発祥の地・函館で大きな活用が期待される。

 銀板写真は、ペリー配下の写真師、エリファレット・ブラウン・ジュニアが同年に撮影した「松前藩士・石塚官蔵と従者像」。大きさは縦15・4センチ、横12・3センチ。現在、松前藩士の子孫で横浜市在往の石塚光司さんが所有。函館市立博物館が1995年、石塚さんから寄託を受け、函館市写真歴史館(同市元町12)で展示されている。

 残っている写真の画像は不鮮明だが、劣化する以前に作成された複製で画像を知ることができる。銀板写真は1830年代に、フランス人ルイ・ジャック・マンデ・ダゲールが発明した「ダケレオタイプ」。銀メッキの板に直接、光を当てて画像を写す技法で、1回の撮影で1枚しか得ることができない。

 ブラウン氏は、函館滞在中に、寺院や町並み、人物など数十枚を写真に収めたとされ、答申を受けたのはその一枚。松前藩士、石塚官蔵のほか3人の従事者が撮影されている。写真右下にブラウンの刻銘がある。

 銀板写真は左右が逆像になるため、撮影の際は、刀などを反対に持ち、正しい写真になるように工夫されたという。

 答申を受けた市教育委員会は「重要文化財の指定により、対外交渉史や写真史上の貴重な資料として、一層、活用されることを期待している」とコメントを発表。答申に基づく、重要文化財の指定は、官報告示にて正式決定となる。

提供 - 函館新聞社



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