松前城建造時の石切場か…町神明の山林で発見

update 2006/3/3 12:42

 【松前】松前町を代表する観光スポット、福山(松前)城の石垣造成に使用した石切場とみられる遺跡が、町神明の山林で発見された。町教育委員会は、早ければ5月から現地を踏査する計画で、対象範囲は18万平方メートルに及ぶ。作業所などの建物跡とみられる平たんな土地も見つかっており、発掘調査も行う予定。費用は約1200万円を見込んでおり、2006年度中に分布図を完成させる。町教委は「石切場の遺跡であれば町にとっては大変貴重な発見」と話している。

 福山城は、松前藩が1849―54年に建造した道内唯一で、わが国最後の日本式旧城郭。「本丸御門」が国の重要文化財に指定されるなど歴史的価値も高く、町の財産として1976年から、発掘、復元作業が続けられている。

 石切場とみられる遺跡は、復元作業に使用する石垣の石を切り出そうとした町有地で昨年11月に発見された。町民総合センターから山側に約1キロの地点。切り崩されたように見えるがけや、石切場特有のくず石、建物が建っていたとみられる平地部分も見つかった。

 付近で採れる石は緑色凝灰岩(通称グリーンタフ)。太古の火山灰が固まってできた石で、切り崩しやすく容易に加工できるのが特徴。福山城の石垣の石も似た石質で、町教委は「城の建造時は大きな石を大量に集める必要があるため、近くの山から大量に効率的に採るのが一般的」とし、同一である可能性が高い。

 福山城の建造時に使われたかかどうかは、建物跡などから発掘されるとみられる遺物から判断する。確認された場合は保存する方針だが、急ながけや沢などがあって危険なため、観光向けに整備することは現在のところ考えていない。

 事業費のうち、2分の1の600万円は国が、残りは町と道が4分の1ずつ負担する見通し。

提供 - 函館新聞社



前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです