旧函館ドック跡地の大型クレーン撤去へ

update 2006/1/17 10:17

 函館市は、市土地開発公社が所有し、函館港のシンボル的存在の旧函館ドック跡地(弁天町20)の大型クレーン(ゴライアスクレーン)の取り扱いについて、耐震性や補修費負担などの問題から撤去する方針を固めた。今後、同公社と撤去費用を最小限に抑える方策や解体時期などを検討し、具体的な取り組みを進めていくとしている。

 同クレーンは1975年、函館ドックが造船用クレーンとして設置して以来、函館のランドマークとして親しまれてきた。

 2基とも高さ70メートル、幅110メートル。造船不況により79年に特定船舶製造業安定事業協会、89年には北海道振興へ売却。同社からの申し入れで2004年5月、同公社がクレーンや建物などを含め、土地23・2ヘクタールを1億円で買収した。

 市は同跡地を産学官連携で進める「函館国際水産・海洋都市構想」の拠点地として活用する考えだが、同クレーンは函館の原風景として定着しているため、撤去の是非が注目されていた。

 ただ、93年7月の北海道南西沖地震以来、レールなどが破損し、移動不能の状態。腐食も進み、金属片などの落下が相次いでいる。こうした状況から、同公社が函館どつくに委託し、04年にクレーンの点検、調査を実施した結果、「現状ではクレーンの耐久性はなく、大規模地震などの発生があれば極めて危険」と判定された。

 不具合カ所の補修費用は概算で約9億円、撤去費用が約6億2000万円と算定されている。

 市の試算では最小限の補修費用で約5億3000万円、撤去費用は約4億5000万円。保存する場合、多額の補修費用と将来にわたる経費負担が必要で、クレーンの有効活用も見込めないことなどから、市は撤去することを決めた。

 市港湾部は「なるべく残したいと考えたが、弁天地区を拠点に進める、国際水産・海洋都市構想の展開という新たな時代の政策にふさわしい、景観をつくることを選択した」と理解を求めている。

提供 - 函館新聞社



前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです