道南ツチクジラ漁/取扱量は過去最高、平均卸値は最低

2005/6/17
 渡島半島沖のツチクジラ漁で水揚げされ、函館市水産物地方卸売市場で取引された生肉が本年度、1999年の捕鯨再開以来、過去最高の1万1166・7キロに上ったことが16日、分かった。一方で平均卸値は1キロ当たり1507円となり、過去最低を記録。年々下がり続ける傾向に歯止めがかからなかった。

 小型クジラの捕獲枠が昨年度までの8頭から本年度は10頭に増加。昨年度の6563キロを大幅に上回るとともに、過去最高だった2002年の取扱量9000キロも上回った。

 しかし、取引されたクジラの赤肉の卸値は1キロ当たり1400―2000円(昨年度1350―2700円)、小切れ肉の卸値は同980―1250円(同750―1750円)といずれも最高値は昨年度を下回った。

 同市場の卸売会社、函館魚市場(松山征史社長)は「解禁となった5月25日の直前まで、宮城県沖で水揚げされたミンククジラが入荷し、多少ツチクジラの価格帯に影響を与えたのでは」と分析。「当初は生肉の珍しさも手伝っていた」と安値傾向に表情も曇る。

 しかし、昨年は函館市の学校給食に取り入れられるなど、市や関係団体が積極的な普及活動を展開。クジラ肉を懐かしむ高年齢層に限らず、低カロリーのヘルシーさが若年層に受け入れられつつある。同社では「近海でとれた鮮度の良さをアピールしていければ」と一層の消費拡大に期待している。

提供:函館新聞社

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