ハコダテライフ 映画三昧



25時
製作 2002年/アメリカ
監督 スパイク・リー
出演 エドワード・ノートン、フィリップ・シーモア・ホフマン、バリー・ペッパー、ロザリオ・ドースン
関連サイト http://www.25thhour.jp/
■ストーリー
麻薬売買の罪で有罪判決が下され、刑務所へ入ることが決まっている主人公モンティ。24時間後には、すべての自由が奪われる身となるモンティは、さまざまな思いを胸に、残されたわずかな時間を友人や恋人と過ごす。『マルコムX』で黒人社会を代表する社会派監督、スパイク・リーの最新作。

勝手に映画評
masta minato yossy
自分的評価★★
えーと、難しい映画ではないはずなんだけど、結局何がメッセージだったのかわからなかった。長い期間ヤクの売人をやっていた結果逮捕され有罪が確定してしまった主人公の最後の1日を追いかけていて、本人の心の動きや人間関係の良し悪し、人を疑い、信じる姿が描かれている。そして友情、家族。でもね...淡々とそれが描かれていて、はっきりとしたメッセージが見えてこないのだ。これって、自分が鈍感なんだろうか? そんな中、最後に向かっての展開は、それまでなんとなーく受け入れているだけだった見方に比べれば、どんどん引き込まれていく感じがした。親友と3人での公園でのシーン、恋人との別れ、父親の長い空想の内容。親友達が抱えるそれぞれの主人公への思い、親がわが子を思うこと。あぁ、これがメッセージなのかなぁとちょっと思ったけれど、核心が持てなかったんだよなぁ。う〜ん、もう一度見たらもう少しわかるかな?

自分的評価★★
24時間後に収監される主人公の残された時間を描く、という映画的シナリオに期待してしまった。スパイク・リーの作品だったしね。でも期待しすぎたからだろうか、わたしが女だからだろうか。主人公の測りしれない感情のようなものが、結局測れないままに終わってしまった…。もしかしてすっごく長い作品を短くした? とも思ったり。ただ、映画としての見せ場は、彼独特な感じが。最後の夜を迎える場が華やかなクラブ、学校の教師をしている友人、株のディーラーとして一線で活躍する親友、それぞれとの人生の対比。父親との別れ、そして彼女との関係(ここらへんもさらりとしすぎていたなあ)。友人の住む高層マンションから眺めるグランド・ゼロのニューヨーク…。詩的な印象を残すのは、彼ならでは。社会派の彼の最新作として興味があったせいか、なにかこう強烈なメッセージが伝わってこなくって、少し拍子抜けな気がしたんだけど、でもきっと、アメリカ社会で生きる若い世代に向けて「人生を誤るな」なんて、ごくシンプルな思いが込められている作品なのかもしれないな。

自分的評価★★★★
うーん、深いっ。大人しめのBGMに、暗めな映像。淡々とストーリーが展開していく。刑務所に入るまでの25時間の葛藤や自己嫌悪が、主人公モンティーはもちろんのこと、関連人物の葛藤までキッチリ描写されており秀逸な作品だ。一つ一つのエピソードの絡みがいまいち緩い事が、少しだけ気になったが、それを吹き飛ばすくらいの圧倒的な作品終盤だった。どーでもいいが、作中のキスシーンはほぼすべてに雰囲気があり、思わず私もキスしたくなるほどだ。グッとくるシーンが何回かあった。その中でも、ナチュレルが殴られて顔が腫れたモンティに即席でアイスノンを作りに行くシーンが一番好きだ。「ああもう、わかるよ、それ。」みたいな。さて、自分の大切なヒトが刑務所に(それもたいそう大変な)入る前の夜に、私ならどうするかな。んー、、たぶん、刻一刻と気持ちは揺らぎながらも、やっぱり黙って側にいるかな。そういう意味では、ナチュレルに一番共感できたと言えるな。そりゃ、私だってこれまで葛藤や自己嫌悪がなかったわけではないので、モンティーのそれに共感できないわけではないけれど、それでも、作中のモンティーの自己嫌悪に、軽々しく「ものすごく共感した!」とは私には書けないな、まだ。とはいえ、見終わった後も心にどっしりと重々しい何かが残った。久しぶりに、重厚感のある映画だったように思う。


バックナンバー



ページ先頭へ
e-HAKODATE .come-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです